2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03F00304
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大塚 英昭 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PHAN Giang Minh 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | トウダイグサ科 / Croton tonkinensis / エントカウレン |
Research Abstract |
来日3ヶ月余りでの研究結果であるので多くは期待できないが、これまでのところトウダイグサ科、ショウガ科、アカテツ科、アカネ科植物を中心に成分研究を進めている。トウダイグサ科植物Croton tonkinensis Gagnep.はベトナムではKho sam cho laと呼ばれ、現地での伝統療法では胃潰瘍や十二指腸潰瘍の治療に使われており、近年それに含有されるエントカウレンが転写因子であるNF-κBの活性化に関与しているという報告もある. 粉砕した本植物の乾燥葉をメタノールで抽出し、常法により溶媒分画を行い、極性の異なる成分を含むフラクションを得た。ヘキサンとメチレンクロリド可溶画分を合してダイアイオンHP-20、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等を行い粗画分を得た。さらに逆相カラムを用いて高速液体クロマトグラフィーで精製を繰り返し、二つの化合物(1,2)を純品として得ることに成功した。 これらの化合物は高分解能質量スペクトルにより分子式の決定、一次元核磁気共嶋スペクトルを測定して詳細な検討を加え、さらに二次元核磁気共鳴スペクトルを用いて構造を検討した結果、いずれもエントカウレン型のジテルペンであることが明となった。化合物1は1位と14位にアセトキシ基、7位に水酸基、15位にケトン基を有し、化合物2は1位と7位にアセトキシ基、14位に水酸基、15位にケトン基を有する新規化合物であった。 更に粗画分の中には薄層クロマトグラム上、化合物1や2と同様な挙動をしめすスポットが幾つかあり、現在高速液体クロマトグラフィーを用いて鋭意精製に励んでおり、ほぼ単一ピークを示すまでになっている。
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