2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03F00314
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
飯田 滋 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
殷 彰ほ(EUN C. ?H. ) 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | イネ / 易変性変異 / 遺伝子タギング / DNAトランスポゾン / DNAメチル化 / 遺伝子ターゲティング / アントシアニン色素生合成 / 相同組換え |
Research Abstract |
主要穀物であるイネのゲノム配列が明らかとなり、イネ遺伝子の約半分はシロイヌナズナで相同な配列が見出されず、イネ固有の遺伝子の機能に関心が集まっている。イネの未知遺伝子に変異を導入し、その形質や遺伝子機能を解析する逆遺伝学手法の開発が急務となってきた。本研究の目的は、黄緑色地のイネの葉に濃い緑色のセクターを入れる易変性ヴィレッセント変異(pyl-v)が、新規DNAトランスポゾンnDartの転移脱離によることが見いだされたので、このnDartを利用した新たな遺伝子タギング系の構築を目指して、nDartの転移を制御する諸条件を検討するとともに、イネカルスでの体細胞相同組換えを制御する諸条件を検討して効率良い遺伝子ターゲティング系の開発をめざすことである。 2003年10月中旬より約5ヶ月間の実績は以下の通りである。 遺伝子タギング:易変性変異pyl-vに係る非自律性の新規DNAトランスポゾンnDartは日本晴のゲノム配列からイネゲノムの14部位に散在することが判明したので、これらのnDartについてPCR法を用いて易変性を示すpyl-v変異体で転移脱離をしているか否かを検討した。その結果、pyl-v変異体では14部位中9つの部位でnDartが転移脱離し、さらに、幾つかの部位では脱離に伴うプットプリントも確認された。このことは、活性な自律性因子が存在するpyl-v変異中にも転移し易いnDartと転移し難いnDartがあることを示唆している。 遺伝子ターゲティング:アントシアニン色素生合成系の転写調節遺伝子が重複し、DFR遺伝子に欠損があるイネ変異体を用いて、内在性DFR遺伝子の変異部位をターゲットとした相同組換えのアッセイ系の構築を試みたが、色素発現を促進させる培地ではカルスの増殖が抑えられるため、相同組換え検出系を改善する必要である。
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