2003 Fiscal Year Annual Research Report
植物のタイプ2カチオン/プロトンアンチポーターの発現と機能解析
Project/Area Number |
03F00317
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
高倍 昭洋 名城大学, 総合研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TIAN Chunjie 名城大学, 総合研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 塩ストレス / Na^+ / H^+アンチポーター / 耐塩性植物 / 食糧 / 環境 / 植物バイオ / 砂漠の緑化 / 遺伝子工学 |
Research Abstract |
Na^+/H^+アンチポーターは、ナトリウムイオンの細胞外への排出および液泡への蓄積、細胞内pHおよび体積の調節など植物生理学的に極めて重要な役割を果たしていると考えられている。ゲノム解析の結果、アラビドプシスでは、1)細胞膜および液胞膜に発現するSOS1、NHX1などのタイプ1(NhaP型)アンチポーターが8個、2)植物は勿論、すべての生物で機能がよくわからないタイプ2(NdpA型)アンチポーターが35個、3)NhaD型アンチポーターが2個存在すると考えられていて大変複雑である。 本研究では、アラビドプシスた存在する35個のタイプ2アンチポーターの中からストレスで誘導されるものを明らかにし、それらについては、誘導されタイミングおよび部位を明らかにするとともに、輸送されるイオンおよびその機構に関する知見をえる。これらを通じて、知見のまったくないタイプ2(NapA型)アンチポーターの特徴を明らかにする。 TIAN Chunjieは2003年10月12日に来日し研究を開始した。この間、6ヶ月の研究成果について報告する。 1)ゲノム解析の知見に基づき、アラビドプシスに存在するタィプ2アンチポーターをRT-PCR法で単離した。 2)その結果、2種類のタイプ2アンチポーターに注目して研究を進めることとした。 3)それぞれの遺伝子を、アンチポーター(nhaA,nhaB,dhaA)を欠失させた大腸菌変異株TO114(waditee et al.,J.Biol.Chem.,2001)に対する相補実験から輸送するイオンを明らかにするとともに、TO114の反転膜を作成し、アンチポーターの活性の測定を行なっている。 4)また、カリウム輸送活性の欠損した大腸菌変異株を用いて同様の実験を行なっている。 5)タイプ2アンチポーターの植物の発現部位、塩ストレスによる誘導を調べるためにプロモーターをGUS遺伝子につなぎ、植物に導入しようとしている。 6)タイプ2アンチポーターの植物細胞内の局在性を調べるためにGFPとアンチポーターを融合した遺伝子を植物に導入しようとしている。 7)アンチポーター遺伝子がノックアウトされた植物のストレス(塩、乾燥、高温)耐性を調べる準備を行なっている。 このように、本研究課題は順調に進行している。
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