2003 Fiscal Year Annual Research Report
キュウリ及びトマトの灰色かび病とホウレンソウ立枯病の防除に関する新しいアプローチ
Project/Area Number |
03F00325
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
荒瀬 栄 島根大学, 生物資源科学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RAHMAN Md. Zahidur 島根大学, 生物資源科学部, 外国人特別研究員
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Keywords | キュウリ / トマト / ホウレンソウ / 灰色かび病 / 立枯病 / ハウス栽培 |
Research Abstract |
表記研究改題遂行のための基礎実験として松江市内のビニールハウス内に栽培されているキュウリ、トマト及びホウレンソウにおける灰色かび病と立枯病の発生と病原菌の収集を行った。灰色かび病及び立枯病共に、ハウス内ではよく発生し、栽培上問題となっていることが農家の聞き取り調査でも明らかとなった。ホウレンソウ立枯病の発生は、主として9月に集中しており、その被害は葉身部の典型的な萎凋から黄化、わい化あるいは根腐れなど様々であった。被害部からは、病原菌としてFusarium oxysporiumが分離・同定された。これら分離菌を用いてポット植えホウレンソウに土壌潅注接種あるいは断根接種を行うといずれもFusarium病害に特徴的な病徴が出現し、さらにそれらの被害部からはやはりFusarium菌が分離された。 一方、キュウリおよびトマトの灰色かび病は11月下旬のハウス栽培において発生が集中した。しかしその発生程度はハウス間で異なっていた。被害は、主として成熟、未成熟に関係なく果実に集中し、まれに茎にも発生していた。被害部より単離した病原菌の病原性をトマトを用いた接種実験により確認すると、分離したいずれの菌株も葉身部に病斑を形成し、病原性が確認された。 以上のように灰色かび病も立枯病もトマト、キュウリおよびホウレンソウの栽培上重要視しなければ行けない病害であることを確認した。また、これら病害の発生には季節性があることも判明した。したがって、光誘導抵抗性の確認も発生時期に合わせて行う必要のあることが明らかとなった。
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