2003 Fiscal Year Annual Research Report
乾燥地における塩水灌漑管理下の土壌資源の持続的利用及び作物の養分吸収特性の改善
Project/Area Number |
03F00327
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
本名 俊正 鳥取大学, 農学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MUHAMMAD Irshad 鳥取大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | アンモニア態窒素 / インキュベーション / 塩類組成 / 無機態窒素 |
Research Abstract |
乾燥地・半乾燥地における不適切な農地管理は,土壌塩類化などの土壌荒廃を引き起こし,広大な農地を放棄することとなる.本研究では土壌を重要な資源として位置づけ,土壌中の各種成分の動態を解析するとともに,乾燥地における植物の養分吸収の改善と生産の向上のための方策を明確する.そして環境保全を基盤とした持続可能な農業展開を提言することを目的とし,塩類土壌を修復するための機構解明の手段として土壌と作物の養分動態について解析する.今年度は,いくつかの堆肥と土壌の混合系を異なる塩性条件下で培養し,生成する無機態窒素量を比較・検討した. マサ土に,150mmolc L^<-1>-塩化ナトリウム(SC),塩化マグネシウム(MC),硫酸ナトリウム(SS)および硫酸マグネシウム(MS)溶液をそれぞれ添加し,塩類組成の異なる人工塩類集積土壌を作成した.また,塩類を添加しない非塩類土壌(対照区;NS)も用いた.土壌に,堆肥をそれぞれ0,10,20および40t ha^<-1>ずつ施与し,25℃で8週間インキュベーションした.土壌中の塩類組成による全無機化窒素量はNS>MS>SS>SC>MCの順で多かった.しかし,土壌中の塩類量,組成およびインキュベーション時間に関係なく,堆肥を施与することにより,土壌中の無機態窒素,ECおよびpHは上昇した.窒素無機化はインキュベーション1週間目で最も高く,8週間目で最も低下した.土壌中の集積塩類の組成に関わらず,硝酸態窒素が減少し,アンモニア態窒素が増加した.窒素の形態変化は土壌中の塩類組成に関わらず,塩ストレスによって妨げられる.しかし,堆肥施与によって窒素の無機化が増加することが期待された.
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