2003 Fiscal Year Annual Research Report
心血管病に対する創薬を目指した、プロレニンの構造と機能についての研究
Project/Area Number |
03F00340
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
鈴木 文昭 岐阜大学, 農学部, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
UDDIN Mohammad Nasir 岐阜大学, 農学部, 外国人特別研究員
|
Keywords | プロレニン / 不活性型酵素前駆体 / 構造と機能 / アスパルチルプロテアーゼ / レニン前駆体 / プロレニン受容体 / レニン受容体 |
Research Abstract |
プロコレニンは酵素レニンの不活性型前駆体である。ヒト血液中のプロレニン濃度はレニンの5〜10倍高いことが知られているがその生理的意義についてはほとんど明らかにされていない。しかし最近、糖尿病の合併症としての血管病が進むとプロレニン濃度が上昇するという報告が相次いでいる。私たちは、プロレニンの構造と機能を解明することを通してプロレニンの生物学的意義を探ろうと研究を行っている。その中で昨年、プロレニン・プロセグメントの一部に抗体が結合するとプロレニンが活性化することを見出した。一方、Nguenらはレニン/プロレニン受容体の存年を同時期に明らかにした。そこで、本研究課題においてはこのプロレニン受容体とプロレニンの結合・活性化のメカニズムを明らかにすることによって、プロレニンの血管病への関わりを探り、その創薬への糸口を示すことを目的としている。 平成15年度の研究成果としては、 1)プロレニンの特異的アッセイ系を、すでに得られている各種抗体を用いて確立した。 2)すでにクローニングされている遺伝子を用いた、組換え型プロレニン受容体の発現系の検討。特に、CHO細胞、cos細胞およびメサンギウム細胞培養系での発現システムを検討中である。来年度には、最も適した細胞培養系が確立できる予定である。 3)プロレニンの受容体との結合性および活性化機構を明らかにするための予備実験を行つている。(レニン触媒の分子機構の解明を含む) これらの一部は3rd General Meeting of the International Proteolysis Society (2003, Nagoya)で報告した。その内容は近い将来、学術誌等へ掲載される予定である。
|