2003 Fiscal Year Annual Research Report
腸管における新しい抗原取り込み装置M細胞集族へのリンパ球動員の分子機構の解析
Project/Area Number |
03F00343
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮坂 昌之 大阪大学, 医学系研究所, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JANG Myoung Ho 大阪大学, 医学系研究所, 外国人特別研究員
|
Keywords | M細胞集族 / 樹状細胞 / 粘膜固有層 / ケモカイン / ケモカイン受容体 |
Research Abstract |
腸管は、免疫原の侵入により正の免疫反応を起こして生体に免疫を賦与する場合と、負の免疫反応すなわち免疫寛容を起こして生体に免疫応答を起こさせない場合があり、興味深い調節機構を内在する「リンパ組織」である。本研究では、マウス腸管に存在する抗原取り込み装置であるM細胞集族を解析する中から、この細胞集族の付近に新規の2種の樹状細胞(DC)サブセットが存在することを明らかにした。 これまで、腸管、特に小腸の粘膜固有層(LP)のDC (LP-DC)の単離、精製は技術的に極めて困難であり、そのためLP-DCについては不明な点が多かった。そこで、本研究ではまず、LP-DCの精製方法を確立し、その表現形を解析した。 まず、磁気ビーズ法およびcell sortingにより、マウスLP-DCを精製したところ、新規サブセットであるCD11c^<high>, CD103^+DCとCD11c^<low>,CD103^-DCが存在することが明らかになった。そこで、これらの細胞を単離、精製し、RT-PCR法にてケモカイン27種、ケモカイン受容体17種の発現を検討した。その結果、CD11c^<high> CD103^+DCはCCR7、CXCL16、TARC、MDCを発現し、一方、CD11c^<low>CD103^-DCはCXCR4、CXCR6、MIP-1α、MIP-1β、RANTES、C10を高発現することが明らかになった。続いてFlow cytometryにより細胞表面分子の発現を検討した。その結果、CD11c^<high>CD103^+DCはCD40、LA^d、PSGL-1およびα4β7 integrinを高発現し、一方、CD11c^<low>CD103^-DCは、CD44、CD11bおよびGr-1を発現していた。また、これらのサブセットはいずれも、パイエル板やリンパ節には存在しないことが新たに明らかになった。
|
Research Products
(1 results)