2003 Fiscal Year Annual Research Report
バングラデシュにおける地下水由来の無機ヒ素曝露の評価
Project/Area Number |
03F00344
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡辺 知保 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BAE Munjoo 東京大学, 大学院・医学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ヒ素 / 地下水 / 曝露評価 / メチル化代謝 / ヒ素の形態別分析 / 皮膚症状 / 飲水量 / 食物 |
Research Abstract |
本年度は主として、井戸水と食物によるヒ素曝露程度の把握、個人差の関連について明らかにするための調査・測定を行った。 ・井戸水のヒ素汚染の実態調査: バングラデシュヒ素汚染地域である北西農村部において現地調査を実施、過去3年間における井戸使用の変化に関する聞き取り調査を行なった。また、井戸水のヒ素汚染の実態について毎年にわたって繰り返しサンプリングした井戸水、HG-AASを用いてヒ素濃度を測定し、経時的変化を評価した。 ・尿中ヒ素の曝露レベルと性差について調査: 皮膚症状がみられた対象者に対して行なつたInterventionの効果について採取した尿の分析を行なった。メチル化代謝と曝露レベルとの関係および性差を明らかにするためにHPLC-ICP-MSを用いてヒ素の形態別定量を行なった。その結果、男性の場合、曝露レベルが低い方がメチル化の割合が高かつたのに対し、女性の場合、曝露レベルが高いグループでメチル化の割合が高かった。すなわち、メチル化の割合は曝露レベルに影響を受け、その影響は性別によって異なっていたことを見出した。また丸採取した生体試料のヒ素の形態別分析と皮膚症状との関連を検討中である。 ・個人差(曝露指標あるいは症状における)の原因分析: 飲水量ならびに水以外(食物)から摂取されるヒ素の量について現地調査を実施、北西農村部である2村(RJ, SV)で、男(N=19)と女(N=19)を対象として1日(24時間)飲水の量について実測調査を行なった。その結果、性差はほとんど見られなかったが、村によって異なっていたことを見出した。また、水以外食物から摂取されるヒ素の量については検討中である。
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Research Products
(1 results)