2003 Fiscal Year Annual Research Report
うっ血性心不全に対するエンドセリン作用阻害の臨床効果に関する研究
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03F00347
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
横山 光宏 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SUNU Budhi RAHARJO 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | エンドセリン / 心不全 / 遺伝子改変マウス / エンドセリン変換酵素 / エンドセリン変換酵素阻害薬 / ダール食塩感受性高血圧ラット |
Research Abstract |
本研究では、重症心不全に対する新たな治療戦略としてエンドセリンの作用拮抗の有用性を薬理学的および遺伝学的手法を用いて検討することを目的とする。心不全患者の血中エンドセリン濃度は心機能分類の重症度に比例して増加することが知られており、また予後に相関すると報告されている。従って、心不全の病態の進行にエンドセリン系の活性化が関与していることは示唆されているが、その病態生理における分子機構についての詳細は未だ明らかではない。 そこで、1)マウスの冠動脈を結紮することにより心筋梗塞を作成し、慢性期の心不全モデルを作成する。2)エンドセリン変換酵素阻害薬、エンドセリン受容体拮抗薬、の効果を心機能および生命予後を指標に検討する。3)エンドセリン変換酵素遺伝子欠損マウス、内皮細胞特異的エンドセリン欠損マウス、心筋特異的エンドセリン欠損マウスを用いて心不全モデルを作成し、上記手法を用いて解析する。という研究計画を立て、現在遂行している。 1)に関しては心不全モデルの再現性について検討中であり、検体数を増やして解析を進めている。2)についてはダール食塩感受性高血圧ラットに高血圧性心不全を誘導したモデルにおいてエンドセリン変換酵素阻害薬の有用性を示す結果を得て、現在論文作成中である。3)については、遺伝子改変マウスにアンジオテンシンIIを持続投与して作製した心不全モデルにおいてエンドセリンの欠損が心不全の病態進展抑制に働くことを見出し、現在さらに解析を進めている。 これらの成果は、心不全の病態におけるエンドセリンの役割を明らかにするとともに、心不全に対する新規薬物療法の開発に貢献することが期待される。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Isaka D., Emoto N., Raharjo, S.B., Yokoyama M., Matsuo M: "The effects of phosphoramidon on the expression of human endothelin-converting enzyme-1 (ECE-1) isoforms"J.Cardiovascular Pharmacology. 42. 136-141 (2003)