2003 Fiscal Year Annual Research Report
産業廃棄物を軽減できる歯科鋳造用埋没材のリサイクルに関する基礎的研究
Project/Area Number |
03F00354
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
宮崎 隆 昭和大学, 歯学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 祖太 昭和大学, 歯学部, 外国人特別研究員
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Keywords | リサイクル / 鋳造 / 埋没材 / 補綴物 / 膨張 / 鋳型強さ |
Research Abstract |
歯科鋳造用埋没材は歯型石膏模型と同じく、金属を鋳込んで目的の製作物が獲得できると廃棄されるのが常である。しかし、鋳造は歯科技工では特に頻用される作業であり、また義歯のような大型の補綴物を鋳造で製作すると、一度に800g以上の大量の廃棄物が生産されることになる。そこで我々は一度使用した鋳造用埋没材を再度利用することを検討した。 歯科鋳造用埋没材は耐火骨材と結合材によって構成され、耐火骨材は埋没材を高温で焼成した時の耐熱性を付与し、なおかつ鋳造時の金属の収縮を補償するための膨張を司る。一方、結合材は埋没材の硬化に大きな役割を果たし、硬化時の膨張や操作性をコントロールしている。我々のグループの取り組みは、結合材を用いずに耐火骨材だけで埋没材を作れないかを当初は検討した。その結果、耐火骨材だけでも鋳造が可能であることが判明したが、結合材がないので泥状の埋没材が乾燥して固くなるために硬化時間が著しく長いこと、また強さが不足しているため金属溶湯を流し込む際に埋没材が破損する恐れがあることなどいくつかの問題が生じた。 これを解消するために、埋没材にガラス粉を添加することを試みた。これは高温で焼成した時にガラスが溶融して耐火骨材をネットワーク状に繋ぎ、強さを向上させることを目的とした。ガラス粉末はガラス容器(ビーカー)をボールミルにより粉砕して、各5%、15%、30%と添加したところ、埋没材は高温焼成後でも強度が向上し、鋳造圧力を高めても欠陥を生じにくくなった。しかし、ガラス粉末の粒度が埋没材よりも粗いと硬化した埋没材中の成分分布に偏りが生じてしまうため、弱い部分が選択的に欠落することも明らかとなった。またリサイクルによって製作された補綴物の適合は約200-300μmであり、埋没材の耐火骨材とガラス粉の適正な配合や粉末の調整などを検討することが必要であると考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 張 祖太: "コンパクトな新型加圧鋳造機によるチタン鋳造"チタンと歯科臨床. 2巻1号. 67 (2004)
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[Publications] Zutai Zhang: "Fundamental investigations on reusable dental investments"Journal of Dental Research. 83(special). #1932 (2004)