2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03F00357
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Research Institution | 九州芸術工科大学 |
Principal Investigator |
栃原 裕 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KIM TAE GYOU 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | 冷蔵倉庫 / 作業能 / 体温 / 血圧 / 重量物運搬 / 防寒服 / 温冷感 |
Research Abstract |
近年、低温保存された食料品の流通が盛んとなり、それらの食品を保存する冷蔵倉庫が全国に約4000箇所存在する。その内の約80%の倉庫が、冷蔵倉庫内の設定温度が-25℃であり、荷役作業者は全国で約30000人にも達することが知られている。このような人工的な著しい寒冷環境は、作業者の生理機能や作業能、さらには健康状況に大きな影響を与える。防寒服は、寒冷下での生理機能や作業能の低下を防ぐための重要な役割を持つが、-25℃にも達するような著しい寒冷下での研究はほとんど実施されなかった。本研究は、著しい寒冷下での重重物運搬時の生理機能(体温調節や循環機能等)と作業能の変化を、防寒服との関連で明らかにするものである。 そこで、本研究では、-25℃における作業時の生理反応、心理反応、作業能の変化を実験室にて詳細に検討する。そのための予備実験として、体温(皮膚温、直腸温等)、代謝量(換気量、酸素摂取量)、血圧、血液成分(カテコールアミン、アルブミン、ヘマトクリット、遊離脂肪酸等)、作業能(カウンチング、重量物運搬、繊細な作業等)の測定方法を確立した。特に多くの測定機器が-25℃では、使用が不可能となるために、保温、機器の改良等を行った。その結果、ほとんどの測定機器の測定が可能となった。また、作業として重量物運搬の負荷重量及びその頻度についても検討を重ねた。寒冷曝露時間は、出来るだけ実際の冷蔵庫作業に近いように、一日数時間とし、寒冷曝露頻度も数十回とすることとした。今回の被験者には、学生を採用することとした。ただし、将来、冷蔵倉庫作業者との比較が可能なように体格・体力の測定データも詳細に採ることとした。
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