2003 Fiscal Year Annual Research Report
北西太平洋低緯度海域における海洋生態系のレジームシフトと魚類資源の動態
Project/Area Number |
03F00602
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡邊 良朗 東京大学, 海洋研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陳 尚 東京大学, 海洋研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | レジームシフト / 北西太平洋低緯度海域 / 魚類資源 / 長期変動 / 東シナ海 |
Research Abstract |
魚類資源の変動様式には、亜寒帯水域〜温帯水域で変動が大きいのに対して、亜熱帯水域では変動が小さいという傾向が顕著である。亜寒帯水域〜温帯水域の大きい変動については、環境変動が大きい海域における魚類資源の応答が大きい変動となって現れることがわかってきた。一方亜熱帯水域では、資源変動の小ささが海洋環境の変動の小ささによって説明できるのか未検討である。本研究では、亜熱帯水域の海洋環境変動の特性を、亜寒帯水域〜温帯水域との比較で明らかにし、亜熱帯水域の資源の安定が環境変動の小ささによってどのように説明できるのかを明らかにすることを目的として研究を進めた。 北太平洋の表面水温、クロロフィル量、動物プランクトン量などの海洋環境の長期的変動データを、公開されている各種データベースから取得した。また、マイワシ、カタクチイワシ、サバ類、マアジ等の魚類資源に関して、日本、中国、韓国、台湾からデータを入手し、亜熱帯水域、温帯水域、亜寒帯水域に区分・整理して時系列データを作成している。 来年度は、これらのデータについて時系列解析を行い、海洋環境の長期的変動傾向が、亜熱帯水域、温帯水域、亜寒帯水域の間でどのように異なる(一致する)かについて解析する。また、海洋環境の長期変動と魚類資源の動態との対応を海域ごとに検討して、中高緯度水域に対する低緯度水域の変動特性を明らかにする。
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