2003 Fiscal Year Annual Research Report
地震探査データによる天然フラクチャー型貯留層のキャラクタリゼーション
Project/Area Number |
03F00726
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
在原 典男 早稲田大学, 理工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LUO M. 早稲田大学, 理工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 地震探査 / フラクチャー / p波 |
Research Abstract |
広方位角p波による地震探査データにおける異方性は、地層の非均質性の解釈に有用であることは、近来、認識が深められているが、フラクチャーの存在と分布の解釈への適用性は未だ課題である。一般に、フラクチヤーの解釈は、振幅、速度、又は時間等の属性のインバージョンによって行われるが、これらの属性のフラクチャーに対する感度に依存することが問題である。p波のフラクチャーに対する感度は、オフセットの大小によって異なるので、震探データの異方性に関する楕円表示に基いて、フラクチャーの方向性と発達度(intensity、フラクチャー密度)を解釈することが可能である。本研究では、次のようなステップで解釈をした:(1)属性の多重方位分布図の作成、(2)ステップ(1)にょる減衰パターンから得られるフラクチャーの方向性と異方比に基いてフラクチャーネットワークを抽出。 アラブ首長国連邦アブダビ海洋油田における海底震探(OBS)データを用いてケーススタディを行い、フラクチャーネットワークの発達状況を解釈した。対象領域は約5km^2で、油層は海面下数千mに存在し、検層、コア、生産圧力挙動等からNW-SE方向に断層・フラクチャーが発達していると解釈されている。OBSデータは、12.5x25m内に300trace、最大オフセット400mで方位角360°を網羅しており、高精度のデータである。 深度に伴うフラクチャーの発達状況と、上面のフラクチャーが下面のフラクチャーの解釈に及ぼす影響について理解するために、3深度レベルL1、L2、L3(双方向時間400、1000、1200ms)でフラクチャー解釈を行った。まず、着時間および振幅の多重方位分布図を作成し、後者がフラクチャー解釈に有効であることを確認した。次に、多重方位振幅図における長軸方向および短軸長/長軸長比から、フラクチャーの方向性と発達度を解釈した。この処理を80m間隔および10m間隔で行い、後者がより詳細なフラクチャー解釈を可能にすることを確認した。 本研究は、深度方向および地層面内におけるフラクチャーの発達状況に関する新しい解釈技術を呈示するものである。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Luo, M: "3D Analysis of Complex Fracture Systems"Proceedings of the SEG Annual International Meeting. 1557-1560 (2003)
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[Publications] Luo, M: "Fracture Detection using 3DVSP Data in Ekofisk Field"Proceedings of the EAGE Conference. (未定). (2004)