2003 Fiscal Year Annual Research Report
農業現場での栽培情報センシングとその解析システムの構築
Project/Area Number |
03F00734
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
亀岡 孝治 三重大学, 生物資源学部, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RAHMAN MD Mizanur 三重大学, 生物資源学部, 外国人特別研究員
|
Keywords | 農業 / 栽培情報 / センシング / 蛍光X線 / 中赤外分光 / 色彩 / フィールドサーバー / MetBroker |
Research Abstract |
水耕栽培で得られたトマト葉、および露地栽培のコーヒー葉を対象に、可視光・中赤外光領域の分光スペクトルと蛍光X線スペクトルの取得を行った。可視光・中赤外光領域では、クロロフィルなどの色素に加え、硝酸態窒素などの成分の測定が可能であり、蛍光X線では植物体の栄養診断に用いられるP、K、Caなどの陽イオン成分の分析が行える。また、蛍光X線スペクトルの経時変化とトマト葉のイオンバランスの経時変化からCaの変化が特徴的であることが判明した。また、コーヒー葉の蛍光X線分光データから得られたイオンバランスは、養液栽培により生育状況が制御されているトマトと異なり、明らかな違いが認められた。 また、色彩や形状から品質、色彩から栄養状態、分光スペクトルから含有成分や栄養状態といった解析が栽培現場レベルでも可能である事が示された。さらに、ハウス栽培では生育環境の相違が比較的少なく、均一な管理作業が行えるが、露地圃場では土壌条件・日照条件など生育環境に大きな相違が生じるため、各植物体に対する栽培管理作業も異なる事が示された。このため、精度の高い生育管理を行なうためには、生育環境情報や生育管理作業情報も植物体情報として付加しこれらの情報を加味した解析の必要性が認められた。また、果菜でも言える事であるが、特に果樹では生育履歴情報も必要であることも明らかとなった。 三重大学農場を水分センサのテスト圃場として用いる一方、フィールドサーバ・MetBroker・水分センサを連携させるためのフィールドサーバ設置形態についても検討を行った。その結果、三重大学農場を無線LAN空間化することには成功し、建物内のみならず圃場を含む広い範囲でネットワーク接続可能となったため、簡単にデータ収集できるようになった。計測データの活用範囲を広げるために、フィールドサーバのWebページの本来の記述形式であるHTML形式からCSVファイルへの変換ソフトをPerlを用いて作成した.
|