2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03F00737
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
立花 明知 京都大学, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ORDON Piotr 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 領域密度汎関数理論 / 原子核反応性指数 / 化学ポテンシャル / ハードネス / ソフトネス / 運動エネルギー密度 / 中性相-イオン相転移 |
Research Abstract |
1.領域密度汎関数理論における化学反応性指数(投稿準備中) 立花によって創始された領域密度汎関数理論に化学反応性指数を組み込む理論的研究を行った.電子数(N),原子核座標(Qi),および分子間電子移動(Γ)の関数としてのエネルギー関数E(N, Qi,Γ)の性質を解析した.等N過程については化学反応座標に沿って分子間電子移動と原子核配置の変化とのカップリングを表現する新しい化学反応性指数が存在する.各関数に対して3次までの偏導関数をすべて導いた.概念的DFTにかかわる基本的偏導関数(化学ポテンシャルμ,励起ポテンシャルε,ハードネスη,電子数N,ソフトネスS)のくりこみを原子核の振動運動(Qi)とΔN,ΔΓのカップリングとして導いた. 2.電荷移動混晶TTF-p-クロラニルにおける中性-イオン相転移に関する運動エネルギー密度に基く研究 立花によって創始された分子系の運動エネルギー密度による表現を標題系における中性-イオン相転移の予言に用いた.イオン相および中性相の両者を解析した.両相の構造をCASTEPのPW91 GGA DFT法により最適化した.運動エネルギー密度を得るための波動関数も同法により求めた.中性相からイオン相への転移にともなう協力現象と,孤立二量体との比較がきわめて興味深い.従って,孤立分子(TTFとクロラニル)の構造と波動関数をGaussian 98のmp2/6-31G^<**>法により求めた.これらの結果を用いて運動エネルギー密度を求める. 3.仕事関数の領域密度汎関数理論による表現 仕事関数の異方性を研究した.金属アルミニウムのいくつもの表面をスラブモデルを用いてCASTEPのPW91 GGA DFT法により求めた.スラブ依存性を検討した.実験的に知られている仕事関数の異方性を説明するために化学ポテンシャルとして知られる現象論的観測量を差分近似法により求めた.
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