2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03F00753
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
永田 雅人 京都大学, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
UHLMANN Markus 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 矩形ダクト内流れ / 内部熱源 / 線形安定性解析 / スペクトラル法 / 二重チェビシェフ多項式展開 / ガラーキン法 / 固有値問題 / 単一方向流れ |
Research Abstract |
二次元空間座標の関数として表される単一方向流れの安定性を調べることは、流れの輸送量特性を正確に把握する上で工学的に非常に重要である。この種の基本流の一例として当研究では内部熱源によって引き起こされる矩形ダクト内の流れを採用した。 流れ場はチャンネル流とは異なりスパン方向に有限であるため周期境界条件が適用されず、新たな線形安定性解析の手法を確立する必要がある。そこでまず、矩形領域におけるポアソン方程式の数値解析を行い,矩形ダクト内の層流解を得た。つぎに、この層流解(基本流)の線形安定性解析に用いるスペクトラル法を構築した。二重チェビシェフ多項式展開を用いて擾乱速度場を表現し、ガラーキン法により安定性問題を行列の固有値問題に帰着した。この固有値問題を数値的に解くことにより矩形ダクト内の流れの安定性を解析した。 内部発熱がない(圧力勾配により駆動される)場合に対して、アスペクト比が1より十分大きい矩形ダクト内流れの安定性がチャンネル流の安定性と一致することを確認するとともに、最近報告されたTheofilisらの内部発熱がない矩形ダクト内の流れの解析結果との整合性を確認し、計算プログラムの妥当性を明らかにした。また、内部発熱がある場合に対しては、アスペクト比が1より十分大きい矩形ダクト内流れの安定性を、Nagataらのチャンネル内における内部発熱流の安定性と比較することによって解析結果の妥当性を確認した。 現在は、計算プログラムの妥当性の検証を終え、矩形ダクト内の内部発熱流に対する線形安定性解析を本格的に進めると同時に、非線形段階での擾乱の時間発展を調べるため、直接数値シミュレーションプログラムの開発に取り組んでいる。
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