2003 Fiscal Year Annual Research Report
培養細胞からの電気・光学的信号を検出するためのマイクロデバイス
Project/Area Number |
03F00794
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 博之 東京大学, 生産技術研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LENNON Erwin 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 培養細胞 / インピーダンス / マイクロ構造 / マイクロ流体 / PDMS |
Research Abstract |
本研究では、マイクロ流体デバイスの応用の一つとして、細胞を計測するデバイスを取扱う。半導体微細加工技術を利用すると数十ミクロン〜百ミクロン程度のサイズの流路を製作することができるが、細胞のサイズは概ね十ミクロン〜数十ミクロンであるため、このような流路を用いれば細胞一つ一つを独立に流路内に導入することが可能である。細胞を、その性質に応じて分離する方法として蛍光標識を用いるFACS (Fluorescent Assisted Cell Sorting)が一般に用いられているが、装置が大型化することや、細胞を再利用する際の蛍光標識の影響が明らかでないことなど、いくつかの問題も指摘されている。本研究では、微小流路の近傍に同様のサイズの電極構造を集積化し、交流電界を加えることによって、細胞一つ一つについて、その電気的な特性(主としてインピーダンス)を計測することを目指す。これまでに数十メガヘルツまでの計測は試みられているが、本研究ではギガヘルツオーダーまでの計測を試み、細胞だけでなく細胞内小器官や分子レベルの計測についても、その可能性を探る。 研究初年度である平成15年度は、主として計測に用いるデバイスの設計を行うと同時に、インピーダンス計測に必要な回路系などの準備を行う。具体的には、シリコーンゴムの1種であるPDMS(Polydimethylsiloxane)を用いて流路を製作し、その流路内部あるいは近傍に電極構造を作り込む方法について検討を加える。PDMSは型とりによって容易にマイクロ構造を形成できることから、近年では広くマイクロ流体デバイスの製作に用いられているが材料の柔軟性等によって、例えば金属薄膜製の電極をパターニングすることが困難であった。これに対して、PDMSとガラス基板との組合せ等、単なるマイクロ流体デバイスとは異なる構造を考えることによって、細胞計測に適したデバイス設計を行うことが平成15年度の目標である。
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