2003 Fiscal Year Annual Research Report
地球の炭酸ガスの収支・循環,特に岩石と炭酸ガスの反応について
Project/Area Number |
03F00808
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
荒井 章司 金沢大学, 理学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MOHAMMED El Rhazi 金沢大学, 理学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 炭酸ガス / 地下貯蔵 / ガス田 / 炭田 / かんらん岩 / 蛇紋岩 / 反応速度 / 炭酸塩化 |
Research Abstract |
初年度であり,地球の炭酸ガスの収支・循環を探る第一歩として,既存の(または既に提出されている)炭酸ガスと岩石の相互反応の実験の総括を行った.炭酸ガスは地球温暖化ガスの代表であり,環境省の統計見積もりでも,日本において大気中に放出される量は1990年から2000年まで確実に増え続けている.二つの炭酸ガス地中処理パイロット実験を考える.一つはECBM(石狩の旧炭坑でのメタン回収計画;日本政府主導でJCOALの協力のもとでKANSOにより実施)であり,他はCSEGR(長岡のガス田での炭酸ガス回収計画;METI主導でENAAの協力のもとでRITEが実施)である.これらの実験の目的は長期的な地下貯蔵とそのリザヴァーの保全である.地下の条件で,炭酸ガスがリザヴァーの流体や鉱物中をどのように移動し,反応するかを知ることは,地下リザヴァーの貯蔵可能量や長期での地下の炭酸ガスの安定性を知るために不可欠である.そのために,東北大学理学部林研究室の協力を得て,オートクレーブによる室内実験を開始した.その他,炭酸ガスのかんらん岩や蛇紋岩との反応による固定を考えるために,天然の炭酸塩化した岩石の解析を開始した.炭酸塩化したかんらん岩/蛇紋岩は原生代のオフィオライトや顕生代のかんらん岩/蛇紋岩体の断層沿いにしばしば大量に形成されている.これらの鉱物組み合わせ変化などから生成(反応)条件を見積もることを試行中である.炭酸ガスと岩石の反応の場合,実用性の観点からは反応速度が重要であるが,その見積もりも行われねばならない.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hisada, K., Sugiyama, M., Ueno, K., Charusiri, P., Arai, S.: "Missing ophiolitic rocks along the Mae Yuan Fault as the Gondwana/Tethys divide in northern Thailand."The Island Arc.. 13(印刷中). (2004)
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[Publications] Morishita, T., Arai, S.: "Evolution of spinel-pyroxene symplectite in spinel lherzolite from the Horoman complex, Japan"Contib.Mineral.Petrol.. 144. 509-529 (2003)
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[Publications] Tamura, A., Arai, S.: "Inhomogeneous spinet in chromitite from the Iwanai-dake peridotite complex, Hokkaido, Japan : variations of spinel unmixing texture and chemical composition"Sci.Rept.Kanazawa Univ.. 48. 9-24 (2004)