2003 Fiscal Year Annual Research Report
心筋収縮タンパク・ミオシンの構造改変とその心筋細胞内発現による心機能改善に関する研究
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03F00908
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉浦 清了 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YAMADA Kelly Patricia 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 心筋細胞 / ミオシン軽鎖 / 張力測定 |
Research Abstract |
変異心筋ミオシン軽鎖1を単離心筋細胞に発現させ、その機能に与える影響を検討することを目的としているが本年度は1)機能測定のために開発した単一心筋細胞張力測定装置をさらに改良し外部仕事を評価できるようにした。また基礎実験として1)単離した成熟ラット心筋細胞をタンパクが発現し置換するまでの間形質転換を来さずに培養するため細胞をペーシング刺激しながら培養を行うことを行い、ペーシングの条件などを検討した。この結果2日目までは十分な収縮力を保ったまま培養することができた。ただしタンパクの置換までにはさらに数日の培養が必要と考えている。2)遺伝子導入に関するデータを得るためにGFP遺伝子を組み込んだアデノウイルスベクターを用いGFPを発現した心筋細胞の機能をコントロールベクターを感染させた細胞およびウイルスを感染させない細胞と比較した。2日目には90%以上の感染細胞にGFPが発現していることを蛍光顕微鏡にて確認した。2日目における比較では細胞の短縮距離および速度には3群間に差は認められなかった。また細胞の発生張力はGFP発現細胞で低下している傾向が見られたがこれも有意ではなかった。これらの結果を論文に投稿中である。 これとは別に心筋症ハムスターより単離した心筋細胞の機能を検討したがここでは健常対象群と比べ有意な短縮速度、発生張力、外部仕事の低下が認められた。特に外部仕事の低下は顕著であり張力を測定することの意義を示すものであった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yasuda S, Sugiura S, Yamashita H, Nishimura S, Saeki Y, Momomura S, Katoh K, Nagai R, Sugi H.: "Unloaded shortening increases the peak of Ca^<2+> transients but accelerates their decay in rat single cardiac myocytes"Am J Physiol. 285. H470-H475 (2003)
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[Publications] Yamashita H, Sugiura S.Fujita H, Yasuda S, Nagai R, Saeki Y, Sunagawa K, Sugi H.: "Myosin light chain isoforms modify force-generating ability of cardiac myosin by changing the kinetics of actin-myosin interaction"Cardiovasc Res. (in press). (2004)