2004 Fiscal Year Annual Research Report
現代日本社会における伝統の持続と近代化に関する研究
Project/Area Number |
03F03006
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小野澤 正喜 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HUSSAIN M.A. 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 漁村社会 / 養殖漁業 / 遠洋漁業 / 沿海漁業 / 社会変化 / 文化変化 |
Research Abstract |
茨城県ひたちなか市那珂湊地区を中心に伝統的集落に焦点を当てつつ、家族、集落における伝統的諸制度維持のメカニズムを確認し漁業および農業セクターの近代的展開の中における機能の調査研究を行なった。近代化の中における家制度の改編過程、漁協、農協等の組織の機能についての現地調査を踏まえた比較検討を主たる目的とした。那珂湊地区における遠洋漁業の基地としての発展と沿海漁業の衰退の現状を確認した。ほぼ毎月漁協関係者への聞き取り調査を遂行し、漁業組織の変化に関する詳細な資料の収集を行った。一方、外国人の急増、新住民の流入現象の中で派生している諸組織についても参与観察と面接調査を進めた。年中行事、各組織の集会、催し等に参加しつつ観察と資料収集に努めた。また前年度に行った浜松、天草島原等の実態との比較において那珂湊の特徴の分析を進めた。併せて土浦市における鯉ウイルス問題に関する調査も進め、養殖漁業の抱える問題とこの問題に対する行政や社会の反応についても分析を進めた。現在壊滅的な打撃を受けた漁業関係者がどのような転職をしているかについての追跡調査を進めている。これらの研究成果は英文報告書として刊行するための準備を進めた。中間報告書、『族』投稿論文等の形で公表しつつ、それに対する筑波大の研究者のコメントを踏まえて最終報告書に向けた研究計画の練り直しを行った。筑波・大学内において5回にわたる研究会をもち中間的報告を行い、関係研究者との研究交流を進めた。調査結果は最終調査報告書等の形で刊行し現地側に還元し、相互の情報と意見の交換に努める予定である。また人類学関連学会における発表の機会を活用して調査の報告を行っていく。
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