2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03F03010
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
梶 茂樹 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KARI Ethelbert 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | デゲマ語 / ナイジェリア / 接語 / 接頭辞 / 接尾辞 / 母音調和 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ナイジェリアの南西部に話されるデゲマ語の詳細な文法を書くことにあった。それは、たんに言語学者の学術的目的や、現地の人たちに用いられるためでなく、この話し手の少なく、消滅の危機に陥っている言語を記録して残すという重要な使命を帯びていた。なお、分担者のKariはこの言語の母語話者である。 平成15年度と16年9月までの18ヶ月で、分担者Kariの東京外国語大学大学院地域文化研究科提出博士論文を改稿出版したClitics in Degema, A Meeting Point of Phonology, Morphology, and Syntax (2003)をもとに、序論、統語論、形態論、音韻論、イデオフォンと間投詞の全6章と語彙集とからなるデゲマ語記述文法を完成させた(この配列はイギリスの言語学者B.Comrieの提案に従うものである)。とりわけ音韻論では、分節素の問題のみでなく、母音調和や声調の問題、そして声調のなかでもダウンドリフトとダウンステップの問題などを考察した。語彙集では、一般的記述に加えて、色、親族用語、身体名称など、特別の意味分野を構成するものについては、別項目に立てた。ただ本来ならば語彙集は別の1冊とすべきであったが、時間的問題と、資金上の問題で、今回は断念した。 なお、上述の成果に加えて、研究代表者の梶と分担者Kariとの不断のコンタクトは、これからの日本とナイジェリアの言語学の分野における交流にとって極めて有意義なものであった。
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Research Products
(5 results)