Research Abstract |
弱L^r空間におけるNavier-Stokes方程式の弱解の内部正則性 ΩをR3の任意の開集合とし,時空間Ω×(0,T)におけるNavier-Stokes方程式の弱解u∈L^∞(0,T;L2(Ω))の内部正則性を考察した.ここでuに関してはΩの境界∂Ωにおけるいかなる仮定も課していないことが重要である.これまでNavier-Stokes方程式の弱解の内部正則性定理は,多くの場合u∈L^2(0,T;H^1_0(Ω)),D×(a,b)におけるある種の付加条件のもとで,同部分領域におけるuの滑らかさを導出していた.このように対象となる領域の境界値を指定して,弱解の内部正則性を導くことは,通常の非線形楕円型,放物型に対するものとは異なるが,Navier-Stokes方程式の場合,いまひとつの未知関数p(圧力)の制御のためにやむを得なかった.そこで,本研究ではSerrinの提唱した渦ω=rotu度の方程式に着目して,uの境界条件を取り除くことに成功した.実際,ある正定数ε_0が存在して‖u‖_<L^s_w>(0,T;L^r_w(Ω))【less than or equal】εならば,u∈L^∞(D×(a,b))であることが明らかにされた. ここに,r,sは条件2/s+3/r=1,3【less than or equal】s【less than or equal】∞を満たし,L^r_wは 弱L^r-空間を表す.応用として,弱解の孤立特異点の除去可能性定理が得られる. すなわち,(x_0,t_0)∈Ω×(0,T)を中心とする放物型球Q_R(x_0,t_0)={(x,t);|x-x_0|<R,t-R2<t<t_0}において|u(x,t)|【less than or equal】ε_0|t-t_0|^<θ/2>|x-x_0|^<-1+θ>,0【less than or equal】θ<1であれば,u∈L^∞(Q_R(x_0,t_0)が従う.
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