2004 Fiscal Year Annual Research Report
ハロー原子核反応のグラウバー模型による分析とハロー核子相関
Project/Area Number |
03F03023
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
鈴木 宜之 新潟大学, 理学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SARHAN B.Abu-Ibrahim 新潟大学, 理学部, 外国人特別研究員
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Keywords | ハロー原子核 / アイコナール近似 / Breakup / クーロン分解反応 / ^<16>Cの構造 / 光学ポテンシャル |
Research Abstract |
アイコナール近似で、ハロー原子核の反応を中心にして、核力とクーロン力によりその連続状態へ遷移する効果を取り入れた反応理論を以下のように展開した。 1.6He+12C弾性散乱と光学ポテンシャルにおよぼすbreakup効果 6Heは2中性子ハロー原子核の一つで、その連続状態への励起が弾性散乱においても重要になる。6Heの基底状態の波動関数として変分モンテカルロ法によるものを用い、散乱の位相関数は核子-12C光学ポテンシャルから、モンテカルロ多重積分法によって正確に計算した。そのエネルギー依存性から、6He+12C光学ポテンシャルのエネルギー依存性ならびにfoldingポテンシヤルからのずれを理解することができ、核子あたり40MeVの6He+12C弾性散乱角分布を再現できた。 2.1中性子ハロー核のクーロン分解反応 11Beや19CのPbによるクーロン分解反応理論をアイコナール近似で取り扱った。アイコナール近似でのクーロン分解の発散を摂動論の知識を用いて回避した。また、連続状態での中性子の波動関数として、束縛状態に直交した平面波を採用して計算を簡略化した。11BeがPbで分解されたときの断面積を実験データと比較し、中性子と10Beの相対エネルギー分布がピークになる当りを除いて良い一致が得られ、アイコナール近似による取り扱いが有効であることを示した。ピークにおける不一致は、実験における分解能と関係しているのでさらに分析を進めている。 3.16Cにおける核子相関 16Cは、そのE2遷移が極めて小さいことが最近わかり注目されている。15Cと16Cを14C芯に中性子が付加した系として取扱い、核子相関が16CのエネルギーやE2遷移におよぼす影響を調べた。E2遷移が小さいことはこの模型で理解できるが、15Cと16Cの両者を矛盾なく説明するにはまだ不完全であり、核力の役割をさらに詳しく調べることが必要となった。ただ、16Cが15Cにbreakupするさいの運動量分布は現模型でほぼ理解できた。
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Research Products
(4 results)