2004 Fiscal Year Annual Research Report
化学的手法を用いた極薄SiO_2/Si構造の低温創製とリーク電流密度の低減
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03F03033
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 光 大阪大学, 産業科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHANG Shan (ASUHA) 大阪大学, 産業科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | シリコン酸化膜 / 絶縁膜 / MOSデバイス / 半導体-絶縁膜界面 / 低温酸化 / 硝酸酸化 / リーク電流 / 界面準位 |
Research Abstract |
我々は、これまで共沸硝酸を用いるとシリコン基板上に良質な極薄SiO_2膜(〜1.4nm)を形成できることを見いだしてきた。本共同研究では、この硝酸酸化法を用いることによって、シリコン基板上に10nm以上の厚いSiO_2膜を約120℃の低温で形成することに成功した。形成直後の酸化膜には界面準位などの欠陥準位の存在が確認されたが、これらは水素雰囲気中250℃でPMA(Post-Metallization Anneal)処理を施すことによって除去されることがわかった。これによってリーク電流密度が約一桁以上低減し、良質なSiO_2膜になることが確認できた。 X線光電子分光法、フーリェ変換赤外吸収分光法などの手法を用いて酸化膜の形成メカニズムを調べた結果、界面での反応が律速であることを明らかになり、硝酸が分解した結果生成する酸素原子のSiO_2/Si界面への拡散がスムーズに進行することがわかった。 この研究成果は学問的には勿論のこと、工業的応用面からも大きな意義があり、大規模集積回路(LSI)の基本構造であるMOSトランジスターなどのMOS界面を有するデバイス全般に広く応用できる。特に、高温プロセスを用いることができない多結晶シリコン薄膜トランジスター(TFT)などの半導体デバイスに大いに期待される。現在TFT用のゲート絶縁膜の形成には、化学的堆積法(CVD)が用いられているが、この手法により良質なSiO_2膜を形成することが困難である。したがって、CVD法に代わる低温酸化膜形成法が求められており、本研究で開発した硝酸酸化法はこのような半導体デバイスに応用される可能性は極めて高い。
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Research Products
(2 results)