2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03F03052
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
相良 和伸 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SHARMA Someshwer Dutt 大阪大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | 太陽熱 / 蓄熱 / 暖房 / 換気 / PCM / シミュレーション / ソーラーチムニー |
Research Abstract |
本研究は、太陽熱利用暖房における高密度蓄熱システムの開発に関する研究であり、特に、飛躍的に大きい蓄熱容量を有し高密度蓄熱材料である相変化蓄熱材(PCM)を活用しようとするもので、コンパクトで一定温度の出力が可能であるというPCMならではの特徴を活かした研究である。太陽熱を利用した冬期の暖房と夏期の自然換気促進のためのソーラーチムニーの研究を以前より継続して行っており、PCMを蓄熱材として活用することにより日射がない夜間の性能向上を図ることができると期待される。 これまでは、蓄熱材が無い条件ではあるが、実験によるソーラーチムニー内部の空気流動特性と伝熱特性の把握、伝熱モデルの構築と共に、ソーラーチムニーを装備した戸建住宅を対象モデルに日本各地の気象条件によるシミュレーションを実施してきた。それらの成果を踏まえ、初年度は、蓄熱材として用いるPCMの基本的な熱特性把握とシステム特性の予測に関する研究を中心とした研究を行った。そして、2年目に当る今年度は、実際にPCMを組み込んだソーラーチムニーの実験装置を作成して冬期の日射条件下での実験を中心とした以下の研究を行った。 1.ソーラーチムニーに最適なPCMの熱物性を検討する中で、これまで測定データが手に入らなかった日射透過率について、代表的な3種のPCMについて測定を行った。 2.種々のPCMの熱物性を検討した結果、潜熱蓄熱式床暖房に現在多用されている硫酸ナトリウム10水塩を主材料としたPCMをソーラーチムニーに組み込むこととし、床暖房用に大量に生産されているPCM封入コンテナーをそのまま活用した実験装置を作成した。 3.冬期の日射条件下での実験を行い、集熱部の表面温度、PCM封入コンテナー内部温度、チムニー内部風速分布などを測定して、得られる集熱空気温度やPCMの融解状況の確認を行った。
|