2004 Fiscal Year Annual Research Report
高度規則性を有する3次元カーボンネットワーク構造の構築
Project/Area Number |
03F03075
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
京谷 隆 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HOU Pengxiang 東北大学, 多元物質科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 多孔質炭素 / ナノネットワーク / 電気二重層キャパシタ / 鋳型法 / ゼオライト |
Research Abstract |
本研究では従来のカーボン材料とは全く異なる高度規則性を有する3次元ナノネットワーク構造をもつカーボンを創製し、その規則構造に基づく新規な電子(例、超電導)・磁気(例、強磁性)機能の発現とガス吸蔵、分子篩、エネルギー貯蔵等の従来機能の飛躍的な向上を目指す。 ゼオライト等の種々の高度規則性多孔質無機物質を鋳型として、それらの規則構造を反映したカーボンを調製することを試みた。とくに鋳型としてY型ゼオライトを用い、その3次元規則性を反映したカーボンを合成した。さらに、このカーボンのガス吸蔵、分子篩、エネルギー貯蔵等の特性を向上させるために窒素や酸素などのヘテロ原子のドーピングを行った。窒素のドーピングはアセトニトリルを炭素源とすることで、また酸素のドーピングは合成したカーボンを硝酸などにより湿式酸化させることで行った。これらの処理により、3次元規則性を保ちながらも、窒素や酸素をカーボンの骨組みに導入することが可能となった。 本研究で合成したカーボンを電気二重層キャパシターの電極材として利用したところ,水系および非水系とも従来の活性炭素繊維に比べて飛躍的に高い容量を示すことが明らかとなった。さらに,充放電の速度を上げ電流密度を高めても,容量の減少が少ないこともわかった。とくに窒素をドーピングしたカーボンは容量と充放電特性とも極めて優れていた。これは窒素ドープによるカーボンの電気伝導性の向上と誘電率の増加によるものと考えられる。 また,上記の鋳型法をさらに改良することで,鋳型となるゼオライトの構造をより反映したカーボンを合成する方法を見いだした。この方法は簡便であり,将来の大量合成にも結びつくと考えている。
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Research Products
(2 results)