2004 Fiscal Year Annual Research Report
酸化チタン含有ゼオライト光触媒による空気・水の清浄化に関する研究
Project/Area Number |
03F03087
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
安保 正一 大阪府立大学, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BERNAURDSHAW Neppolian 大阪府立大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 光触媒酸化反応 / 酸化チタン / pHスイング法 / 2-プロパノール / アナターゼ / ルチル比 / 触媒調製法 / 多段階ゲル化法 / pH |
Research Abstract |
触媒調製時にpHを変動させる多段階ゲル化法(pHスイング法)を用い、酸化チタン光触媒の高活性化について検討した。酸化チタンは、TiCl_4水溶液とアンモニア水溶液を交互に混合するpHスイング法により調製した。さらに、生成した酸化チタンを各所定の温度で焼成することで酸化チタン光触媒とした。pHスイング法で調製した酸化チタン光触媒上は2-プロパノールの酸化分解反応に高い反応活性を示し、反応中間体としてアセトンが、最終反応生成物としてCO_2の生成が確認された。673Kでの焼成により調製した酸化チタン光触媒は2-プロパノールの分解にあまり高い活性を示さないが、これは、触媒の結晶性が低くアモルファス構造をとるためと考えられる。一方、823Kで焼成して調製した酸化チタン光触媒ではアナターゼとルチルの結晶相が共存しており、2-プロパノールの酸化分解反応に高い活性を示すことがわかった。このことから、アナターゼとルチルの結晶相が適度に混在している場合に2-プロパノールの分解に対する活性が向上するものと推察された。また、873Kで焼成した触媒では光触媒活性の低下が観測されるが、これは高温での焼成によりアナターゼからルチルへの相転移が進行したためと考えられる。また、7回のpHスイングで調製した触媒は3回のものに比べて高い触媒活性を示すことがわかった。同じ温度で焼成した触媒で比較すると、673Kから873Kまでのいずれの焼成温度においても7回のpHスイングで調製した触媒は3回のものに比べてアナターゼ/ルチル比が高いことがわかった。この様に、スイング回数を大きくすることでアナターゼからルチルへの結晶相転移が抑制でき触媒活性の向上が可能となることが明らかとなった。 以上、触媒調製時にpHを変動させる多段階ゲル化法(pHスイング法)により、高い結晶性と均一な粒子径および高表面積を有する酸化チタン光触媒の調製が可能となり、さらに、酸化チタン光触媒のアナターゼ/ルチル比の制御が可能となることを明らかにした。また、7回のpHスイングで調製し、823Kで焼成した酸化チタン光触媒はP-25(Degussa)に類似したアナターゼ/ルチル比を示し、水中の2-プロパノールの酸化分解除去に高い活性を示すことを明らかにした。
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Research Products
(2 results)