2004 Fiscal Year Annual Research Report
抗ウイルス薬開発を指向するアシクロヌクレオシド類の合成研究
Project/Area Number |
03F03096
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
北出 幸夫 岐阜大学, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NIKALJE Milind D. 岐阜大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 抗ウイルス薬 / アシクロヌクロシド / 酵素阻害剤 / ヌクレオシド / 化学合成 / 酵素反応 |
Research Abstract |
受入研究者の研究室では、SAH hydrolase阻害活性が期待されるアシクロヌクレオシドの新規な合成法を見出している。また、本法で合成されたある種のアシクロヌクレオシド誘導体がヒトSAH hydrolase阻害活性を有することを見出している。従来より、ヒト由来のSAH hydrolaseの阻害剤には、各種ウイルス感染の阻害や抗がん活性を示すことが期待され、数多くの研究が実施されてきた。 そこで、受入研究者の研究室で既に見出している知見を基に、新規なアシクロヌクレオシド誘導体の合成法の開発を目指して本研究を実施した。その結果、NIKALJE博士はプリン塩基およびピリミジン塩基を有する様々な塩基部を導入可能なアシクロヌクレオシド誘導体の基本合成法を確立した。即ち、(E)-1-acetoxy-4-chloro-2-buteneと6-chloropurineとのカップリング反応を実施し、対応するアシクロヌクレオシド誘導体へ導いている。本反応は、2-amino-6-chloropurine、uracil、thymine、cytosineなどのカップリング反応にも適応でき、対応するグアノシン、ウリジン、チミジン、シチジン誘導体への変換に成功している。さらに、これら化合物を、対応するホスホネート誘導体など多くの修飾アシクロヌクロシド誘導体への変換を現在検討している。一方、炭素環ヌクレオシド誘導体の簡便合成法の開発にも着手し、今後の発展が期待される多くの知見を得ている。本研究で得られた成果は、共同研究者である受入研究者の研究室で、今後さらに研究をすすめる予定である。 また、本法で合成したアシクロヌクレオシド誘導体の糖部に各種置換基を導入させた糖部修飾アシクロヌクレオシド誘導体を分子設計し、その合成法を現在開発中である。今後得られた化合物のC型肝炎ウイルス、HIV、ヘルペスウイルスなどに対する抗ウイルス活性を評価する予定である。
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