Research Abstract |
研究分担者の来日後,代表者の所有する日本人双生児(一卵性,二卵性,異性)の12項目の身体測定値と,対照群の一般児の身長,体重,胸囲,座高データを入力し,データベースを完成した.いずれも6歳から17歳まで毎年一回定期的に測定した縦断資料である.双生児は東京大学教育学部付属中学高等学校の生徒であり,共に1960年から1973年の間に生まれている.このデータベースから身長データ取り上げ,男177名,女184名について,個々の子どもの成長曲線と成長の速度曲線を描き,BTT法を用いて生物学的変数を求め,一般児と比較した.その結果,一卵性双生児は二卵性双生児より成長が速く進行するが,一般児に較べ身長が低く,ピークの時期が遅く,ピークの強度が弱いことが分かった.この結果は,2004年にフィレンツェで開催された国際成長学会議で発表した. 現在は一卵性双生児,二卵性双生児,異性双生児それぞれのグループで,双生児各ペア内のこれら生物学的変数の差異の平均値と分散からheritability(遺伝係数)を求め,身長成長に及ぼす遺伝の影響と環境の影響を明らかにする論文を執筆している. 来日後に始めた双生児研究と並行して,関東地方の男509名,女311名の身長縦断データに分担者が開発した改良Ali-Ohtsuki式を適用し,男女別に「思春期前のスパートがある者」,「それがない者」,「全員」の最終身長(成人身長)の推定式を作成した.この成果はAnthropological Scicnceに掲載された.
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