2004 Fiscal Year Annual Research Report
肥満ラットの肝臓および肥満組織の脂質代謝における共役リノール酸の影響
Project/Area Number |
03F03117
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
柳田 晃良 佐賀大学, 農学部, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG Y. 佐賀大学, 農学部, 外国人特別研究員
|
Keywords | 肥満ラット / 脂質代謝 / 共役リノール酸 |
Research Abstract |
肥満モデルラットの脂肪組織における遺伝子発現プロファイリングを行うことで、共役リノール酸の栄養生理機能について分子栄養学的解析を試みた。即ち、OLETFラットの内蔵脂肪組織から、TRIzol Reagent (Invitrogen)を用いて、Total RNAを抽出した。Serial Analysis of Gene Expression (SAGE)解析は、I-SAGE kit (Invitrogen)を用いて発現遺伝子由来の17 bp Sequence Tagsを作成し、数珠状につないだTagをpZErO-1 vectorに組み込んで大腸菌に導入し、Zeocin耐性寒天培地上に生育したポジティブコロニーを選んでplasmidを精製した。精製した各plasmid中のクローニングサイトのDNA塩基配列は、シングルパスシークエンス(日立計測器サービス)により塩基配列の解析を行った。得られたシークエンスデータは、米国National Institute of Healthが保有するデータベース(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/SAGE)とのマッチングにより同定を行った。 肥満抑制作用と脂質低下作用が認められた10t,12c-CLA摂食群について、Control群を対照として遺伝子発現プロファイリングを行った。それぞれ、450クローンずつDNA塩基配列解析を行い、2655種類の転写産物について12512個(Control群)と12234個(10t,12c-CLA群)のsequence tagを検出した。しかしながら、転写産物の高発現上位50種(3595tags)のうち、14種(1499tags)について未同定のsequence tagであった。また未同定のsequence tagは、全部で683種あった。これらは、SAGE mapに登録されていない脂肪組織特異的に発現している転写産物群であると考えられるため、今後はsequence tagをプローブとしてcDNAをクローニングし、転写産物の同定を行う事が急務であると考えられた。 本研究により、発現変動したtagの中から共役リノール酸に応答する新規分子の発見が期待される。
|
Research Products
(1 results)