2004 Fiscal Year Annual Research Report
クルマエビ、タラバガニ及びヒラメ用環境負荷軽減型飼料の開発
Project/Area Number |
03F03121
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
手島 新一 鹿児島大学, 水産学部, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ALAM Md. Shah 鹿児島大学, 水産学部, 外国人特別研究員
|
Keywords | 環境負荷 / 軽減 / クルマエビ / ヒラメ / 飼料 |
Research Abstract |
甲殻類やヒラメなどの海産魚介類は、時間をかけて摂餌するので、飼料中の栄養成分の水中への溶出が大きくなり、飼育環境へ大きな負荷を与えることになる。本研究では、主としてクルマエビおよびヒラメについて、価格が安く、環境にやさしい飼料(環境負荷軽減型飼料)を開発しようとした。その一環として、大豆タンパク質などの安価なタンパク質源に不足する必須アミノ酸を効果的に補足する方法を開発し、さらに2、3の必須アミノ酸要求量を決定した。 飼料に結晶アミノ酸をそのまま補足しても、添加効果は得られないので、まず、水中に溶出しにくいアミノ酸(遅溶性結晶アミノ酸:LRA)の作製を試みた。その結果、適切なコーチング処理を施せばアミノ酸の水中への溶出を遅延することでき、調製したLRAは稚エビに対して高い栄養価を有することを飼育実験によって証明した(Alam et al. : Aquaculture Nutrition,10,309-316(2004))。餌料効果は、飼育試験における増重率、飼料効率などの他、飼料及び体組織の生化学的分析によって評価した。クルマエビ幼生(ゾェア〜ポストラーバーに至る期間)用の微粒子飼料においても、LRAは窒素源として有効に利用されることを明らかにした。次に、クルマエビにおいて、必要量が大きいと予測される必須アミノ酸であるアルギニンの要求量を上記の方法でコーチング処理したアルギニンを用いて決定した(Alam et al. : Aquaculture Research,35,842-849(2004))。さらに、魚粉を植物性タンパク質である大豆タンパク質で置き換えるとともに、不足する必須アミノ酸を遅溶性アミノ酸で補足し、餌料効果を検討した。 上記のように、ほぼ初期の研究目的を達したが、現在、クルマエビに最も重要なアミノ酸であるメチオニンおよびリシンの要求量についても、実験中であり、さらなる成果が期待できる。
|
Research Products
(2 results)