2004 Fiscal Year Annual Research Report
ゼブラフィッシュを用いたダイオキシン発生毒性発現機序の分子生物学的研究
Project/Area Number |
03F03126
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
平賀 武夫 酪農学園大学, 獣医学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DONG WU 酪農学園大学, 獣医学部, 外国人特別研究員
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Keywords | ダイオキシン / ゼブラフィッシュ / ソニックヘッジホッグ / シクロオキシゲナーゼ / 血流障害 / アポトーシス / 下顎低形成 / ノックダウン |
Research Abstract |
1.ダイオキシンによる下顎伸長の阻害とヘッジホッグの関係 昨年度までの研究で、ソニックヘッジホッグ(shh)がゼブラフィッシュ胚の上・下顎に発現し、この発現はダイオキシン(TCDD)暴露により顕著に減少することを示した。今年度はshh発現に対する効果がTCDDによる下顎低形成に影響を与えるか否かについてさらに検討した。 (1)ダイオキシン受容体(AhR2)に対するモルフォリノアンチセンスによるノックダウン処置はTCDDによるshh発現の低下を阻止した。 (2)ヘッジホッグ阻害薬およびshh欠損ミュータントについてBrdU抗体染色とTUNEL染色を行った結果、いずれも下顎における細胞増殖の低下およびアポトーシス細胞の増加が見られたが、TCDD処置胚では細胞増殖の低下のみが観察された。 (3)TCDDは下顎原基のptc1と2の発現には影響を与えずに、shhおよびtwhhの発現を低下させた。 これらの成績は、少なくともshh以外の経路もTCDDによる下顎低形成に関与することを示唆している。 2.ダイオキシン毒性におけるプロスタグランジン合成経路の役割 最近、TCDDがヒト由来培養肝細胞で、炎症や各病態で誘導されるプロスタグランジン合成酵素であるシクロオキシゲナーゼ2(COX2)を誘導することが報告された。我々はTCDDがゼブラフィッシュ胚の中脳背側部の血流障害とアポトーシスが起こることを報告しているので、COX2の関連について検討した。 (1)COX2阻害剤であるNS398、SC236およびCOX1,2の阻害薬であるインドメタシンは対照群には影響を与えなかったが、同時暴露した場合TCDDによる中脳静脈の血流遅延とアポトーシスを顕著に回復させた。 (2)COX2に対するモルフォリノアンチセンス処置は低濃度TCDDによる血流遅延とアポトーシスをほぼ完全に消失させた。 (3)48〜50時間胚の頚動脈と思われる部分にCOX2mRNAの強い発現が観察できた。TCDD処置はCOX2発現に全く影響しなかった。 以上の成績はTCDDによる中脳背側部の血流遅延とアポトーシスにCOX2が関与することを示唆している。下顎の低形成についても現在検討中である。
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Research Products
(3 results)