2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03F03144
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小阪 淳 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SUN Guangwei 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 虹彩 / 色素上皮細胞 / 幹細胞 / 心筋細胞 / 網膜神経細胞 / 網膜 |
Research Abstract |
脊椎動物の網膜には、我々が研究している虹彩色素上皮由来の幹細胞システムと、毛様体由来の幹細胞システムの2つが報告されている。虹彩と毛様体は比較的近傍に位置するため、両者を区別し、幹細胞の解剖学的な由来を明確にすることは、重要である。そこで本年度は、我々が主張する虹彩由来を証明するために、限界希釈培養法にて、虹彩色素上皮細胞の単一細胞由来の幹細胞誘導を試みた。その結果、我々の幹細胞システムは、毛様体由来の細胞のコンタミネーションではなく、間違いなく虹彩色素上皮細胞由来であることが確かめられた。さらに、細胞単離の過程を明確に記録発表することにより、虹彩由来を強く主張することが出来た。 さらに今年度は、虹彩色素上皮細胞を単離した残りの、ニワトリ虹彩の間質(虹彩支質:stroma)から、拍動する組織塊が出現することを見出した。その組織塊を透過型電子顕微鏡で観察すると、特徴的な横紋の構造が見られ、心筋であることが強く推測された。さらに、横紋筋特異的細胞骨格分子αアクチニンの局在が免疫組織化学で同定され、心筋特異的転写因子Nkx2.5の発現が、RT-PCRで検出できた。現在、心筋特異的なイオンチャンネル等の発現を解析している。通常、脊椎動物の瞳孔の散瞳筋と括約筋は、不随意筋である平滑筋であるのが一般的であるが、ニワトリでは、瞳孔に骨格筋が存在することが報告されている。そこで、材料をニワトリから、瞳孔に横紋筋の無いラット、マウスに変更し、その虹彩支質から拍動組織塊を誘導する実験を行っている。ラット、マウスで、ニワトリと同様に拍動組織塊が誘導できれば、虹彩のstromaから、横紋筋の幹細胞が誘導できることが確かめられ、眼組織の幹細胞システムの全容がさらに詳細に記載される。
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Research Products
(4 results)