2004 Fiscal Year Annual Research Report
高等学校地理における問題解決能力の指導と評価方法の開発研究
Project/Area Number |
03F03151
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平川 幸子 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WAI NU NU 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 外国人客員研究員
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Keywords | 問題解決学習 / 思考力 / 視点 / 生徒評価 |
Research Abstract |
2000年-2001年に広島大学附属高等学校で行った問題解決学習を通じて伸びた生徒の能力を、評価表とチェックリストを用いて系統的に評価した成果を再検討し、多くの生徒に共通する問題を抽出して分析した。その結果、生徒の中には、食料問題がそもそも起こっていない地域を対象にその原因を論じたり、一つの地域の食料問題の原因は内戦によることを論証しながら他の地域では内戦がないのに食料問題が起きていることから「内戦は食料問題の原因とは言えない」と結論付けたりしている生徒がいることがわかった。これは、食糧問題を含む様々な問題の現れ方や原因は地域によって異なるという基本的な地理的見方・考え方が身に付いていないことを示すものと考えられ、指導方法の再検討の必要性を示唆する結果である。生徒のレポートを、評価表とチェックリスト等を用いて系統的に評価することの重要性が証明された。 2003年に広島県立西条農業高等学校で行った二つの対立した見解(例えば地産地消費対大量生産農業)について調べ学習を行い、その発表を聞くという実験授業で、生徒に対立する考えの両方を理解する能力が高まったかをPISAテストの中の一つの問題を用いて調べたところ、対象群と実験群で差が見られないことがわかった。 2003年に中国北京市の一つの高等学校で、学校を新設するときの立地を主題とする教員と生徒の対話による問題解決学習を試み、生徒へのアンケートを行ったところ、生徒に大変好評であったことがわかった。 2005年5月には、広島大学附属高等学校で持続的な農業をめぐる環境的課題をテーマに、伝統的な教育方法と問題をベースにした教育方法のどちらが(1)知識・理解、(2)思考力(特に事実と意見を判別する能力、様々な視点から考慮する能力)及び(3)地理学習への興味の3点の育成に有効化を検証する実験的授業を行う。
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Research Products
(4 results)