2004 Fiscal Year Annual Research Report
喉頭癌におけるJab1による影響と機序の解明およびp27の関連について
Project/Area Number |
03F03163
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Research Institution | 香川大学(医学部) |
Principal Investigator |
徳田 雅明 香川大学, 医学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YOUYI Dong 香川大学, 医学部, 外国人特別研究員
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Keywords | Jab1 / p27 / larynx / Carcinoma |
Research Abstract |
Jab1(Jun activation domain-binding protein 1)はもともと,転写因子c-JunとJunDに特異的に会合し転写活性化のco-activitorとして働く因子として単離されていたものであった。最近,Jab1の結合は,p27に特異的であり,p27の分解を促進する活性をもつことがわかった。Jab1の強制発現はp27の増殖抑制能を中和し,また,Jab1を過剰に発現する細胞は増殖因子を除去しても細胞周期が進行することから,Jab1によるp27の分解促進は生理学的に意義のある現象であることがわかる。この研究では,喉頭癌において,Jab1の発現と癌の発生・進展との関連性を明らかにし,これらにより,Jab1は,p27と共に,喉頭癌の発生・進展病態において重要な役割を果たしていることを示すことができる。また,これらの蛋白質の発現解析を通じて喉頭癌の病期診断や予後診断などにも寄与することができる。我々は、ヒト喉頭癌HEp-2細胞のJab1、p27kip1、PCNAの発現レベルを、免疫蛍光組織化学およびWestern blotによって解析した。Jab1の発現と、p27kip1、PCNAの発現や臨床病理パラメーターとの相関性も、免疫組織化学により102例の喉頭癌について分析した。その結果、HEp-2細胞および喉頭癌組織の癌細胞の核にJab1発現が観察された。Jab1の発現はp27kip1発現とは負の、喉頭癌細胞の増殖性とは正の相関があった。またJab1の高発現は51%の喉頭癌に検知され、腫瘍サイズ(p<0.001)、リンパ節転移(p=0.005)および臨床のステージ進行(p=0.001)に相関していた。また、Jab1の高発現は患者の予後に相関していた。Jab1蛋白質は、喉頭癌の発生・進展と予後に寄与している可能性が示された。
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Research Products
(1 results)