2004 Fiscal Year Annual Research Report
1998年投入産出表とCGEモデルに基づくスロヴァキア共和国のマクロ経済政策分析
Project/Area Number |
03F03178
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
江崎 光男 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KORONCZI Karol 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | レオンチェフ / 産業連関表 / SAM / 動学的な計算可能一般均衡モデル / CGE / スロヴァキア / 国民経済計算体系 |
Research Abstract |
本年度までの研究は2000年の標準レオンチェフ型産業連関表をSNA(国民経済計算体系)データから導出・推定し、通常の産業連関分析を試みることを実施した。計画した47×47産業の1998年の産業連関表を60×60産業の2000年のデータに修正する事が出来た。連関票の構造や分析に必要な欠落データは1996年の業連関表から使用されている。 研究の目的、動学的な計算可能一般均衡(CGE)モデル、そしてそれに基づく計量的な分析には、データを収集し統合的なSAM (Social Accounting Matrix :社会会計マトリクス、社会会計行列)によるデータベースが必要。本年度は集計SAMの作成を実施した。産業連関表以外にSAMの作成に必要な、供給と需要表データ、投入産出データ、詳しい国民経済計算データ、固定資産在庫データ、雇用統計データなどをスロヴァキア共和国財務省、統計管理局、マテイベル大学経済学部、第一衛生銀行等で収集し。 産業連関表と上記の他の5グループのデータの根源は様々なので、錯綜している可能性がある。そのため、産業と産物を60の同種的な部門に分けなければならない。これまでにスロヴァキア共和国に関するSAMを作成した例はないため、収集したデータに基づいて2000年のSAMを作成した。 スロヴァキア共和国は、チェコ・スロヴァキア連邦として、1990年に計画経済から市場経済への移行過程を開始した。1993年1月1日に連邦は解体、スロヴァキア共和国が分離独立した。1995年にはWTOの創設メンバーになり、2000年にはOECDに30番目のメンバーとして加盟。 スロヴァキア共和国は、2004年に25カ国からなる拡大EUへ加盟した。EU加盟は、財・サービス・資本・労働の域内における自由な移動、対外共通関税の設定、調和のとれた域内税体系の構築を意味する。移行過程をふまえ、2年目の研究はスロヴァキア共和国がEUの一員となった時点での経済への影響を分析した。方法としては、2003年3月に名古屋大学大学院国際開発研究科に提出した博士学位論文をベースとしているが、その中にある1996年型標準レオンチェフ型産業連関表を2000年に改新した。そのレオンチェフ型産業連関表をSAMに展開した。6産業から60産業へ展開した。分析を行うためのCGEモデルを作成し、今まで利用したFORTRAN言語を進歩的なGAMS言語に換えた。これらのデータ分析を行ったと同時に、日本国内とスロヴァキアでの調査を引き続き実施した。本研究の途中経過を以下の図書と雑誌にて発表した。 来年度は、作成したデータベースにGTAPのデータを交え、EU25カ国の動学的なリンクモデルを造し、スロヴァキア経済へのEU加盟の影響を分析する予定である。それと同時に、本研究の最終年度のため、これまで行った研究のまとめも行う予定である。
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Research Products
(2 results)