2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03F03189
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坪井 俊 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BAO Zhiqian 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 基本群 / 有限グラフ / 3次元多様体 / 自由群 / 外部自己同型 / 非圧縮曲面 / デーン手術 / ザイフェルト曲面 |
Research Abstract |
研究の目的は3次元多様体上の種々の構造と基本群の関係を明らかにすることである。これに関して、3次元多様体の基本群の表示と幾何学的群論、3次元多様体の基本群のリー群への表現空間の位相などの研究が行われている。我々は、3次元多様体上の種々の構造に着目して、ラミネーションや葉層構造、3次元多様体への群作用、亜群作用のダイナミクスとの関係、3次元多様体の基本群がさまざまな形で円周の同相群や曲面の同相群に作用する様子などを特に重点的に研究し、今年度は、そのまとめをおこなった。 自由群の外部自己同型群の有限部分群については、キュラー-ツィンマーマンにより、自由群と同じ階数を持つ有限グラフへ作用することが知られていたが、その作用が効果的である条件がワン-ツィンマーマンにより知られていた。これにより、自由群の外部自己同型群の有限部分群の最大位数の評価が得られていたが、さらに有限可換部分群に対しそれを精密に評価し、最大位数を与える外部自己同型の有限可換部分群の性質を明らかにした。それらは、位数2または4の群の直積となる。また、自由群の外部自己同型群の巡回部分群の最大位数を評価した。これは、リーマン面のモジュライ空間の研究と深い関係があり、その関係についても研究をまとめた。 サーストンの双曲的3次元多様体の理論を整理し検討するとともに、結び目のザイフェルト曲面の研究をまとめた。このような研究の中で、チェッカーボード曲面として構成した曲面の圧縮性の判定についての結果を得た。また、様々な結び目についてのデーン手術によって得られる3次元多様体の情報を得ることが出来た。この論文は、出版予定である。 これらの研究に関連して、包志強は、大阪で行われた「Jorgensen理論に関係した擬フックス穴あきトーラス群」の研究集会で国内の研究者と研究交流を行い研究上の議論を深めた。また、東京大学大学院数理科学研究科では「リーマン面に関係するトポロジー」研究集会で、Curvature Flow of Circle Packing Metrics on Surfacesという題目の講演をおこなった。さらに、トポロジー火曜セミナー、葉層構造のセミナー等に出席し、東京近辺の教員、大学院生、研究員と3次元多様体とその基本群についての研究交流を深めた。
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Research Products
(1 results)