2004 Fiscal Year Annual Research Report
赤方偏移1<z<2における楕円銀河の構造形成と空間分布
Project/Area Number |
03F03192
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
有本 信雄 国立天文台, 光赤外研究部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KONG Xu 国立天文台, 光赤外研究部, 外国人特別研究員
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Keywords | 楕円銀河 / 高赤方偏移 / ERO銀河 / BzK銀河 / クラスタリング(空間分布) / 星生成率 |
Research Abstract |
ESO-NTT望遠鏡によって近赤外線で観測された領域をカバーするように、すばる望遠鏡Suprime-Camを用いて非常に深く、広い天域(900平方分×2)を撮像した。この観測によってこの天域はUBVRIzJKの8つのバンドのデータを持つ事になり、以前に作成した色から赤方偏移を求めるプログラムから、比較的高い信頼性で銀河の測光赤方偏移を求める事ができた。これらの銀河の中から、B,z,Kの3バンドで決める新しい定義を用いて、高赤方偏移(1.4<z<2.5)にある大質量星形成銀河(BzK銀河)を600個、V-K>5等級で定義される非常に赤い天体(ERO銀河)を500個抽出した。 これらBzK銀河のクラスタリング(空間分布)を、同領域にあるERO銀河と比べたところ、どちらも暗くなるに従って、より集積している事を明らかにした。BzK銀河の空間分布はERO銀河と似通った物である事を初めて示した。 紫外線光度、測光による赤方偏移、ダスト吸収量を用いる事で、BzK銀河の中に、星生成率が200太陽質量/年でKバンドで明るく光る星生成銀河が多く存在する事を明らかにした。さらに、UBVRIzJKバンドのSEDと星の種族合成モデルとの比較により、これらの銀河の質量は10の11乗太陽質量程度であると見積もった。 z〜2にある明るいBzK銀河は大質量・高い星生成率・高い金属量であり、強いクラスタリングを示しており、この事はこれらの銀河がz〜1で静的に進化しているERO銀河や近傍の早期型銀河の過去の姿であり、z〜2で見られるLBG銀河・DRG銀河とは違う種類の銀河であると結論できる。
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Research Products
(3 results)