2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03F03193
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐々木 節 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PUJOLAS Oriol 京都大学, 基礎物理学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | インフレーション宇宙 / ブレーン世界説 / ブレーン宇宙モデル / バルク・インフラトンモデル / 場の量子効果 |
Research Abstract |
本年度はブレーン宇宙論における量子効果の研究を中心に行った.プレーン宇宙論におけるバルグ・インフラトンモデルにおいて,インフレーションを起こしているブレーンをドジッター・ブレーンで置き換えることによって,バルクスカラー場のエネルギー運動量テンソルの期待値を計算し,それがプレーン上で発散することを示した.これは,ブレーンに束縛された軽い質量の有効4次元場がバルクスカラー場のひとつのモードとして存在することによって引き起こされると考えられる. こうした発散に対する通常の4次元理論における処方箋は,ドジッター不変な真空の代わりに,Allen Follaci (AF)真空と呼ばれるドジッター対称性を破る真空で置き換えることである.ブレーン宇宙の場合も同様にして,軽いモードに対してのみ,対称性を破ることによって有限なエネルギー運動量テンソルが得られることが予想されていたが,実は有限なエネルギー運動量テンソルを得るためには,軽い束縛モード以外の質量の重いKaluza-Klein (KK)モードのすべてに関しても対称性を破る必要があることを示した. また,現在,バルクスカラー場がブレーンに与える量子揺らぎの影響を調べるために,スカラー場のブレーン上での正則化された2乗期待値を計算しており,すでにいくつかの重要な結果を得ている.特に2乗期待値に対するKKモードの寄与がどのような場合に無視できるかを明らかにしたことは,どのようなバルク・インフラトンモデルがインフレーションモデルとして意味のあるモデルを与えるかどうかを検証するために非常に重要な結果である.
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Research Products
(2 results)