2004 Fiscal Year Annual Research Report
固体表面上ナノメートルスケール磁性ドット規制配列の作製とその磁性
Project/Area Number |
03F03196
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小森 文夫 東京大学, 物性研究所, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MARTINES-ALBERTOS Bofarull Jose-Luis 東京大学, 物性研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 磁性ナノドット / 窒素吸着銅表面 / 磁気カー効果測定 / ロジウム合金 |
Research Abstract |
窒素吸着銅(001)面に形成できるナノスケールの格子構造を用いて、7ナノメートル間隔の磁性量子ドットを2次元的に規則配列させ、その強磁性を調べる研究を継続した。これまでの研究により、コバルトと鉄の量子ドット配列を作製する方法を確立し、コバルトでは、独立した超常磁性状態から長距離磁気秩序状態への変化が明らかとなっている。本年度は、コバルトとロジウムの2層および合金薄膜を作製し、強磁性転移の臨界膜厚と組成との関係を調べた。ロジウムはバルク金属としては強磁性にならないが、微粒子の場合には強磁性となる可能性が理論的に指摘されている。 ロジウムは、電子ビーム加熱法によって基板に蒸着した。この物質はコバルトと比較すると、高温まで加熱する必要がある。そのために、蒸着中の真空度が10^<-9>トール以上となることが、問題であった。そこで、蒸着中の脱ガスを低下させるために、蒸着器を改良した。改良された蒸着器を用いて、コバルト薄膜の上にロジウムを蒸着し、その磁気ヒステリシスがどのように変化するかを調べた。コバルトおよびロジウムの蒸着量は、オージェ電子分光法で銅とコバルトおよびロジウムの信号を比較することによって行っている。磁化測定は室温で行った。ロジウムを蒸着することにより、保磁力が減少するが、転移温度や磁化は変化しなかった。次に、コバルトとロジウムを同時に蒸着し、その70%コバルトの合金薄膜を作製して強磁性を調べた。コバルトの膜厚を同じにすると、純粋な清浄なコバルト薄膜と同じ磁化が観測され、保磁力は2/3程度となった。室温での測定を完了した後、窒素吸着面への蒸着と100Kまでの低温測定の準備を行った。
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