2004 Fiscal Year Annual Research Report
磁性体におけるフラストレーションの役割に関する研究
Project/Area Number |
03F03197
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
小原 孝夫 兵庫県立大学, 物質理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GIRI Saurav 兵庫県立大学, 外国人特別研究員
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Keywords | フラストレーション / ペロブスカイト / 酸化物 / ヘマタイト / スピネル / 磁化率 / 擬ギャップ / ナノ粒子 |
Research Abstract |
これまで、(1)幾何学的フラストレーションをキーワードとした磁性体の物質探索と、(2)ペロブスカイトMn酸化物とマグネタイトのナノ粒子の研究をおこなった。(1)については、三角形や四面体を基本構造とした様々な物質の合成ののち、その基本的な物性測定をおこなった。すでに論文を出版した遍歴電子強相関物質では、YMn4A18があげられる。この試料はMn格子が1次元的な配列をしているため狭義の幾何学的フラストレート系ではないが、その物性が3次元遍歴電子フラストレート系とよく似ているため興味がもたれる。以前の複数の論文の結果とは異なり、今回の測定では磁化率の比較的高温(〜400K)で広いピークが観測され、スピン励起スペクトルに擬ギャップが存在することが明らかになった。他のフラストレート系酸化物(例えば、スピネル化合物)でも、良質試料作製後、磁気測定やNMR測定をおこない詳しい電子状態の議論を論文発表する(準備中)。つぎに(2)では、研究分担者の自国所属研究機関で作製したMnペロブスカイトやマグネタイトやヘマタイトのナノ粒子を用いて、広い温度範囲にわたって磁気測定をおこなった。MnペロブスカイトではMnサイトのFe置換ののち、メスバウア効果の測定も併用することで巨大磁気抵抗効果の起源を詳しく議論した(一部論文発表)。またマグネタイトやヘマタイトの鉄系酸化物(ナノ粒子)では、粒子サイズの異なる複数試料を用意し、そのダイナミクス(超常磁性)の粒径依存性を磁気測定やメスバウア効果の測定から議論した(一部論文発表)。
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Research Products
(4 results)