2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03F03202
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
清水 和子 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
OBERST Hilmar U.H. 電気通信大学, 電気通信学部, 外国人特別研究員
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Keywords | レーザー冷却 / 原子光学 / 量子反射 / 磁気光学トラップ / ヘリウム準安定状態 |
Research Abstract |
本研究は極低温準安定状態ヘリウム原子用の精密な反射鏡を開発することが目的である。この実験では、磁気光学トラップから原子を開放することにより、極低温準安定状態ヘリウム原子ビームを生成している。今年度は新しく2台の1083nmダイオードレーザーシステムを作成し、装置の性能向上を計った。下記の実験を行い、結果を理論的に説明することができた。 (1)研磨した平面シリコン表面の量子反射を測定し、van der Waals表面ポテンシャルを仮定した計算結果とよい一致が得られた。電気伝導率と、酸化薄膜の影響を解析した。 (2)回折格子状に加工したシリコン表面からの量子反射率を、原子の入射速度、表面への入射角を変えて測定し、ネオンのデータと比較した。非常に高い反射率が得られるが、これは格子のピッチなど格子構造に依存するが、材質にはよらず、格子構造からのフレネル回折モデルで説明できることを示した。 (3)振幅格子による原子波の回折を高い次数まで測定した。位相格子やホログラムを実現する方法を検討した。 (4)極低温ヘリウム原子ビームを微弱な磁場の変化を検出するプローブとして用いる可能性を探るため、単一の磁気サブレベルのヘリウム原子ビームの1次元収束、偏向実験を行った。 (5)誘電率の低い物質表面では量子反射率が高くなることが予測されるため、シリカエアロジェル表面の反射率測定を試みたが、反射を観測することはできなかった。
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Research Products
(2 results)