2004 Fiscal Year Annual Research Report
環境にやさしく、コストパフォーマンスの高い“グリーン"コンポジットの開発と性質改善
Project/Area Number |
03F03217
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
合田 公一 山口大学, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MEYYARAPPALLIL S.S. 山口大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | グリーンコンポジット / 天然繊維 / ラミー麻 / ガラス繊維 / 生分解性樹脂 / マーセル化 / 破断ひずみ / 高靭化 |
Research Abstract |
環境・資源・エネルギーを保護する研究・技術開発の社会的要請の流れを受けて,環境に負荷を与えない天然繊維を用いた複合材料の開発が近年注目を浴びている.天然繊維は,これまで強化用繊維として使用されてきたガラス繊維の代替材料として,ここ数年,各方面でその可能性が盛んに検討されている. 本研究では,平成15年度において,代表的な高強度天然繊維であるラミー麻の化学処理(マーセル化)によって内部のヘミセルロースを溶出するとともにミクロフィブリルセルロースの変形能を変化させ,単糸レベルにおいてその破断伸びを大幅に改善することに成功した.平成16年度は,ラミー麻の撚糸を用い,マーセル化された撚糸を強化材とする生分解性樹脂基複合材料(グリーンコンポジット)を製造するとともに,複合材料レベルにおいても破断ひずみが向上するかどうかを明らかにすることを目的とした.まず,ヒーターを有する平板の一端から真空を引き,プラスチックシートを被せた状態で樹脂を織物天然繊維マット内に真空含浸させる製造装置を開発した.現在,この装置の稼動状態をチェックするとともに,この装置によるグリーンコンポジットの製造を検討している. 別途,大気中で同様の織物天然繊維マットと生分解性樹脂フィルムを交互に重ね,これを熱圧成形したグリーンコンポジットを製造した.この材料の引張試験から,マーセル化織物天然繊維マットを強化材として用いるならば,未処理マットのものより,破断ひずみがおよそ4%程度向上することを確認した.すなわち,複合材料レベルにおいても単糸レベルと同様な特性改善効果が現れることを確認した.
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