2005 Fiscal Year Annual Research Report
環境にやさしく、コストパフォーマンスの高い"グリーン"コンポジットの開発と性質改善
Project/Area Number |
03F03217
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Research Institution | Yamaguchi University |
Host Researcher |
合田 公一 山口大学, 工学部, 教授
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Foreign Research Fellow |
MEYYARAPPALLIL S.Sreekala 山口大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | グリーンコンポジット / 天然繊維 / 生分解性樹脂 / テキスタイル / マーセル化 / 加圧成形法 / GFRP |
Research Abstract |
今日,大量生産,大量消費,大量廃棄型社会から派生した地球環境問題の解決に向けて,各方面で様々な取り組みが行われている.例えば,身近なところで幅広く使用されているガラス繊維強化プラスチック(GFRP)は耐熱性・耐久性に優れ,軽量で高強度であるという利点をもつが,逆に廃棄の際に環境負荷を高める。また,GFRPのマトリックス材は石油由来の合成樹脂からなるが,石油は枯渇資源のため資源の減少が問題となる.そのため,現在は機械的性質の確保と同時に廃棄時に人や環境に害をおよぼさない持続可能な資源循環型材料の開発に関心が寄せられるようになった.とりわけ,生分解性樹脂と天然繊維を組み合わせた全てが天然素材からなる複合材料,いわゆるグリーンコンポジット(Green Composites)の研究・技術開発に注目が集まっている. そこで本研究では,ラミー麻平織布を強化材とするテキスタイル・グリーンコンポジットを加圧成形法により作製した.この材料は母材に生分解性樹脂フィルムを用いており,強化材および母材ともに生分解性を有することから,オールグリーン材料として究極の環境調和型材料であるところに特徴を有する.GFRPの代替材料を目指して,その力学負荷に対する変形挙動ならびに機械的特性を調査した.得られた成果は次のように要約される. 1)ラミー麻諸撚糸(5本撚り)を用いた平織布を強化材とするグリーンコンポジットは,諸撚糸の半径方向の高い剛性のためにヤング率が高くなり,また塑性変形量も少ない.一方,ラミー麻単糸を用いた平織布を強化材とするグリーンコンポジットは,半径方向の剛性が高くなく,大きな塑性変形を呈する. 2)平織布内の単糸の配列方向を変えて積層させることにより,面内擬似等方性を付与することができる. 3)平織布をマーセル化することにより,より大きな塑性変形を付与することができる.
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