2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03F03223
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西尾 茂文 東京大学, 生産技術研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
汪 双凰 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 熱輸送デバイス / 小型化 / 振動流 / 蒸発 / 凝縮 / 気液二相流 / ドリフトフラックスモデル / 液膜 |
Research Abstract |
電子機器の高速化、高性能化に伴い発熱密度の増大が問題視となっている。特にノートブックPCなどの小型化を伴う場合には、放熱の問題は非常に厳しい問題となってきている。その問題に対処するには熱輸送デバイス自体の小型化が必要である。このような中、既存の熱輸送デバイスの弱点(小型化は困難)を補うものとして液体の振動(Oscillation)を利用した振動流型Heat Pipeが注目されている。本研究は、相変化による液体の自励振動を基本機構とすると思われるSelf-Exciting Mode Oscillating-Flow Heat Pipe(SEMOS-HPと略記)と対象としている。具体的には、数値解析に基づき、実験とあわせ、SEMOS-HP管内流動の基本的メカニズム及び熱輸送特性を解明することを目的としている。(i)現象を深く理解するため、SEMOS-HPの動作限界について、実験を行った。その結果,以下のことが分かった:(1)これまでの研究で採用していた恒温水加熱と、今回新たに採用したワイヤーで電気加熱とでは,実験値に大きな相違は無く,電気加熱でも信頼性の高い結果を得られることが分かった。(2)内径1.5mm、1.2mm、0.9mm銅パイプで調べた結果,管径の減少に従い熱輸送密度が増大することから,SEMOS HPは細径化に適した熱輸送デバイスであると言える.(3)R141b,エタノール,水の順に沸点が上昇することから,その駆動開始の加熱部温度もこの順に上昇している.そのため,各作動流体で適用範囲が大きく異なる.(4)駆動開始後の熱輸送量/温度差の傾きは,R141b,エタノール,水の順に大きくなる.つまり,加熱部の温度上昇に伴い,R141b,エタノール,水の順に熱輸送量が増大することから,実用時には比熱および蒸発潜熱が大きい作動流体を選択することでより高い熱輸送能力を得ることが可能であると言える.(ii)数値計算:従来の多くの研究では均質モデルにより、気液二相流の数値解析を行っている。今回相間の相対運動にドリフト速度の概念を導入したドリフトフラックスモデルを用いた。パイプは非常に細長いため、一次元で表すことが可能と判断している。伝熱特性に影響する最も重要なパラメータである径方向の液膜の厚さは理論解析によっている。計算結果と実験結果を比べてみると、熱輸送量と液体の温度など、よく一致している。蒸発部の圧力と凝縮部の圧力の差はパイプの中の流体の駆動力になる。また潜熱より、顕熱のほうが支配していると明らかにしている。簡単に言うと、このモデルで、幾何寸法を入れると、熱輸送管の熱輸送能力をすぐ予測出来る。生産設計の指針になる。
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Research Products
(4 results)