2004 Fiscal Year Annual Research Report
電力自由化における不確実性を考慮した電力系統計画・運用に関する研究
Project/Area Number |
03F03226
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横山 明彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ATTAVIRIYANUPAP Pathom 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 規制緩和 / 電力自由化 / 信頼度 / 送電系統拡充計画 / 安定供給 / 社会厚生 / 不確実性 / ノーダルプライス |
Research Abstract |
日本では2005年4月より電力自由化の一層の進展が始まることになっている。電力自由化においては、全国各地で新規参入が増えて地域間の電力取引が活発になると、これまでの電気の流れ(電力潮流)が大きく変化するであろう。地域によっては送電能力が不足して送電系統が混雑し、意図した電力取引ができなくなってしまう。電気料金が高くなる原因の一つと考えられる。また、電力系統における設備に事故が起こった場合も停電が起こり易くなる。電力供給信頼度に影響を与えるものと懸念されている。「価格高騰」及び「供給信頼度」問題を解法するために、送電系統を拡充することが方法の一つと考えられる。しかしながら、送電系統の拡充には多額のコストと時間がかかるため、「価格高騰」及び「供給信頼度」問題をうまく解法しないと競争が阻害され、自由化が失敗に終わる危険性も出てくる。 本研究では、「価格引き下げ」と「安定供給」を目指して、電力自由化における送電系統拡充計画を提案している。この送電系統拡充計画は、社会厚生と供給信頼性を考慮した上で、最適な拡充計画を決定する。社会厚生は市場参加者である発電事業者及び配電事業者・需要家の余剰から計算する。一方、供給信頼性は配電事業者・需要家の停電コストから計算する。また、この送電系統拡充計画では、自由化された電力系統における様々な不確実性(需給計画、発電計画・運用、設備の事故等)の影響も考慮する。以上を検証するために、計算機シミュレーションのための数式モデルを作成し、入力データ等の準備を行った。
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