2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナノチューブトランジスターのバイオセンサー応用と官能基誘導の効果
Project/Area Number |
03F03228
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
染谷 隆夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG Xi-Zhang 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ナノチューブ / バイオセンサ / 有機半導体 / 有機トランジスタ / 大面積集積回路 |
Research Abstract |
カーボンナノチューブや有機半導体などの分子性材料は、シリコンを基盤とした既存のエレクトロニクスでは容易に実現できない優れた特徴を有しており、シリコンと相補的に用いることによって大きな相乗効果が期待される。例えば、(1)高分子フィルムなどフレキシブルなシートの上に(2)大面積の集積回路が(3)印刷など低コストプロセスで実現できる。さらに、有機トランジスタは、単体としても、化学センサーとして用いることができるなどシリコンにはない特徴を有する。また、カーボンナノチューブは、(1)コンダクタンスが電荷量に敏感で、(2)ナノメートル寸法の構造体であるため、ナノ領域におけるセンサーとして有用であると期待される。本研究では、ナノチューブのトランジスタと有機トランジスタの化学センサー応用について、それぞれを比較しながらメカニズムを解明することを目的とした研究を推進した。これまで、有機トランジスタが、高感度のガスセンサーとしての機能を持つことはベル研究所のグループによって示されたが、そのセンサー機能の原理につていは、未解明の点が多かった。本研究では、dihexylquarterthiophene(DHa4T)を用いて、有機トランジスタのガス検出において、グレインの境界が重要な役割を果たしていることを見出し、その特性を定量的に計測することに成功した。また、ナノチューブ・トランジスタや有機トランジスタの特性を水中で計ることができれば、生体関連の物質を検出する化学センサーとして利用できる。本研究では、有機トランジスタやナノチューブのチャネル層を水に直接暴露した状態でデバイスを動作させることに成功した研究成果を発展させ、ナノチューブと微小流体路を集積化するための要素技術を確立した。
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