2005 Fiscal Year Annual Research Report
ポストテンションPC構造物におけるPC鋼材の腐食が耐久性に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
03F03234
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
睦好 宏史 埼玉大学, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WITCHUKREANGKRAI EAKARAT 埼玉大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 耐久性向上 / PRC / ひび割れ幅制御 / プレストレス |
Research Abstract |
今年度は、昨年度までの研究成果を発展させて、コンクリート構造物の耐久性向上を目的として、プレストレスを導入したPRCはり部材について、各種要因(プレストレス量,鋼材費,鋼材位置など)が曲げ,せん断ひび割れ幅に及ぼす影響を定量的に明らかにするとともに,設計に用いるためのひび割れ幅算定式を開発した。その結果以下のことが明らかとなった。 1)PRC梁の曲げひび割れ性状は多段配筋の影響を受ける。ただし、2段目以上の鉄筋が中立軸に近いほど、その影響が薄れる。 2)PRC梁において、プレストレスによる引張縁応力が等しい場合、PC鋼材高さの違いによる曲げひび割れ性状への影響はPC鋼より線では見られるが、PC丸鋼では見られない。 3)既往の各種算定式と実験値を比較し、その適用性を検討した結果、既往の算定式である程度曲げひび割れ幅を求めることが明らかとなった。しかし、PC鋼より線は引張鋼材として働くためひび割れ制御に有効であり、今後はこの影響を考慮する必要がある。 4)PRC梁のプレストレスは、せん断ひび割れ幅そのものには影響を及ぼさず、斜めひび割れ発生荷重の増加に大きな役割を持つ。 5)せん断補強筋間隔はせん断ひび割れ制御に有効に働くが、導入プレストレスが大きくなると、その影響は薄れる。 6)せん断ひび割れは曲げひび割れと異なり、貫通ひび割れであることが明らかとなった。 7)本実験結果よりせん断ひび割れ幅算定式をfibの考えに基づいて提案した。その結果、比較的よい精度でせん断ひび割れ幅を求めることが可能となった。
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Research Products
(3 results)