2004 Fiscal Year Annual Research Report
ポストテンションPC構造物におけるPC鋼材の腐食が耐久性に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
03F03234
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
睦好 宏史 埼玉大学, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WITCHUKREANGKRAI EAKARAT 埼玉大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | ポストテンション式PC / 腐食 / 耐久性 / ひび割れ幅 |
Research Abstract |
ポストテンションタイプのプレストレストコンクリート(以下PC)構造物において、グラウト施工が不完全な橋梁では、供用中、水や塩分の浸透により、PC鋼材が錆びて、橋の耐久性が問題となる。本研究では、PC部材中のPC鋼材または鋼製シースを陽極に、外部電極を陰極にして電気を通電させることにより錆を発生させ、腐食を促す促進試験を行い、PC鋼材の腐食程度が残存耐力と安全性に及ぼす影響を、グラウトの充填度、かぶり等を変化させて実験的に明らかにした。また、耐久性に影響を及ぼす要因としてひび割れがあげられる。そこで、ひび割れ幅を制御するために、プレストレスを導入したPRC部材のひび割れ幅について実験を行った。以下に今年度得られた研究成果を示す。 1)曲線位置したPC鋼材において、グラウト充填率が高い場合においてPC鋼材に沿って腐食ひび割れを生じ易い傾向にある。しかし、PC鋼材を腐食因子から長期にわたって保護するという点からは、グラウト充填率が高い方がPC鋼材の腐食が生じる可能性は低くなる。 2)プレストレスを導入することにより、ひび割れ幅を制御することが可能である。 3)PRC梁において、プレストレスによる引張縁応力が等しい場合、PC鋼材高さの違いによる曲げひび割れ性状への影響はPC鋼より線では見られるが、PC丸鋼では見られない。 3)既往のひび割れ幅算定式と実験値を比較し,その適用性を検討したところ、PC丸鋼は引張鋼材として考慮せずに適用可能であることが確認できた。しかし、PC鋼より線は引張鋼材として働くためひび割れ幅制御に有効であることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)