2004 Fiscal Year Annual Research Report
凍結融解作用下のコンクリート複合材料における塩化物イオンの移動拡散と鋼材腐食の評価モデル
Project/Area Number |
03F03235
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前川 宏一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHO Taejun 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 凍結融解 / 多孔体 / 水和反応 / 拡散 / 熱力学 / 腐食 / 耐久性 / 寿命推定 |
Research Abstract |
凍結温度での水分平衡を各細孔毎に熱力学モデルを用いて定式化し,凍結圧力とセメント硬化体に発生する応力及びひび割れ損傷を,弾塑性破壊モデルによって記述する多孔体モデルを構築した。特に,水和反応の途上で発生する凍結状態に対応するために,朱らによって提案されているsolidification modelを適用し,固体形成途上での履歴依存性を考慮できる初めての凍結融解材料モデルを提案した。これより,任意の凍結融解温度サイクルに対する巨視的な体積ひずみ履歴を算出することが可能となり,これを多方向ひび割れが考慮可能な構造解析システムに組み入れることで,部材-構造系の使用性能の評価に適用できるようにした。 多孔体の凍結融解損傷モデルを検証するために,水セメント比,単位水量,空気量を変えた実験結果との比較を行い,適用性を確認した。なお,凍結に伴う細孔凝縮水の圧力と気泡への凝縮水の流入をモデル化し,AEコンクリートの耐凍結融解性能の評価に適用できるように,拡張をあわせて行った。以上より凍結融解履歴に伴う微細ひび割れが予測され,これに対する凝縮水中の塩化物イオンの巨視的拡散係数を与えることが可能となった。寒冷地における河川・海洋構造物の寿命推定,ならびに冬季において凍結防止剤を散布する高速道路床版の耐久性設計の緒を築くことができた。また,この研究成果をもとに,若材齢時に凍結を受けるコンクリート構造の新しい加熱養生方法を考案することができた。
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Research Products
(1 results)